2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧
クララ・ヴュルツというピアニストのことはまったく知らないまま、シューマンのピアノ曲を聞こうかと思ってYouTubeで「schumann piano」で出てきたBrilliant Classicsのビデオを再生して、一音目からひどく驚かされた。録音のせいかもしれないが、モダンピア…
20220225のVoxのポッドキャスト Today Explained。「ウクライナの本当の歴史、想像の歴史 The real and imagined history of Ukraine」 ティモシー・スナイダー Timothy Synderへのインタビュー 基本テーゼ:ウクライナは国家 stateであり、国 countryであり…
愚鈍さは 滑稽なことではない 賢明さということは、楽しいことではない (シンボルスカ、つかだみちこ編・訳「世紀の没落」『シンボルスカ詩集』87頁)
戦争が終わった後では だれかが後片付けをしなくてはならない 張本人が じぶんですることなど まずあり得ないのだから (シンボルスカ、つかだみちこ編・訳「終わりと始まり」『シンボルスカ詩集』97頁) もしも私がこの国ではなく 他の種族に生まれていたと…
考えてほしい、こうした事実があったことを。 これは命令だ。 心に刻んでいてほしい 家にいても、外に出ていても 目覚めていても、寝ていても。 そして子供たちにも話してやってほしい。 さもなくば、家は壊れ 病が体を麻痺させ 子供たちは顔をそむけるだろ…
イタリアはヴェニスのフェニーチェ劇場で1951年9月11日に初演されたオーデン作詞ストラヴィンスキー作曲の『放蕩者の遍歴』は、オーデンの英語の韻律と、ストラヴィンスキーの音楽の拍動が重なりあわないようになっている――英語として自然なアクセントがある…
「句点や読点は毛筆書きの時代にはなかった。必要としなかったのだ。毛筆書きの場合には、その字画の太さや力、速さ、文字間隔などの肉筆の書きぶりの中に、息つぎや、休止、終止の意味が微妙に書き表されていた。ところが、肉筆を印刷文に転換すると、微妙…
Wall Stree JournalのポッドキャストYour Money Briefing、20220216 www.wsj.com *給料の払われ方(日、週、月)と、消費行動に相関関係はあるのか →ある *Wendy De La Rosa (ペンシルヴァニア大学のThe Wharton Schoolのassistant professor)らによる調…
ジョルディ・サヴァールとル・コンセール・デ・ナシオンのベートーヴェンは音が拡散していく。音楽が凝縮しないのだ。しかし、かといって、音が空間を充溢させるのでもない。音が輝かしく空間をただよい、すっと空気に溶けていく。これはもしかすると、バロ…
船を造りたいのなら、男たちに木材を集めさせたり、仕事を割り振り命令する必要はない。代わりに、果てしなく広大な海への憧れを説けばいい」 ――アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ (「第7章 新しい資本主義へ」のエピグラフ、247頁) 目次だけでこの本…
人間は、2つの要素を組み合わせることによって、限りなく長い文を作り出すことができるという性質を持っているのです。ですから、人間言語には「最も長い文」というものは存在しない、ということになります。(白畑知彦『英語教師がおさえておきたいことばの…
20220218 Financial Times Briefing www.ft.com *シベリアのイルクーツク Irkutsk で暗号通貨 cryptocurrency のデータマイニングが流行っているとのこと *しかも、特別な施設ではなく、副業として住居でやるDIY型 *都市部だけではなく、その近隣のvillag…
わたしたちのなかには なにものかが無数に生きている わたしが思考したり感覚したりしても わたしにはわからぬ、 思考したり感覚したりするのが誰であるのか。 わたしは思考や感覚の 場にすぎないのだ。 わたしの魂は一つだけではない。わたし自身より多くの…
「孔子は「學則不固(学ぶことによって考え方や行動が柔らかくなる)」と言いましたが、彼らは「やわらかいものには知能が宿る」と捉えているのです。」(鈴森康一『いいかげんなロボット』119頁) キッチン用品でシリコン製のものがポピュラーになったのは…
「おそらく、最も注目に価すると考えられることは、サン=サーンスがたとえフォーレをもはや理解しなくなっても、彼を大家と見なし続けたことであろう。フォーレは実際、サン=サーンスの作品の明快で公正な性向を、常に保っていたが、サン=サーンスは、か…
「フォーレはまさに陶酔に近い喜びをもった中庸の音楽家なのであり、したがって、彼が伝えようとする深い内容やその哲学に気づくことなく、性急で注意を怠った聞き方をすれば、その音楽は優柔不断で単調なものにしか聞こえないであろう。/けれども、かつて…
小林エリカは不思議な書き方をする。 パラグラフが短い。 一文で一段落ということもめずらしくない。 個人的にはノベルゲームを思わせる形式だが、ライトノベル的と言えるかもしれない。すくなくとも、いわゆる純文学に特有の重厚で粘着質な文体の対極。軽く…
特任講師観察記断章。ノンネイティヴが英語でうまくプレゼンテーションをやるためには、「いわゆる英語らしさ」を目指すのはナンセンスだ、そうではなく、ゆっくり、丁寧に、ポイントになるところを前面に出すようにやらなければならない、そのためにこそ、…
「私は感ずる 別の遊星からの大気を。[ Ich fühle luft von anderem planeten.]」(シュテファン・ゲオルゲ「忘我 [Entrueckung]」『ゲオルゲ全詩集』202頁)
20220123@静岡芸術劇場 泉鏡花作、宮城聡演出『夜叉ケ池』 おそらくすべてはすでに死んでいるのだ。 宮城聰の演出する泉鏡花『夜叉ヶ池』は水の底から始まる。客席は明るく照らされているのに、舞台は暗い。 鳥たちの囀りが聞こえてくる。 次第に客席が暗闇…
現代小説は長くなる一方ではないか。もちろん短編や中編は依然として書かれているが、長編となると、やたらと長大になりがちである。だから、J・M・クッツェーは例外的存在と言っていいかもしれない。クッツェーの小説はつねにコンパクトで、長すぎるという…
特任講師観察記断章。学生たちが時折イノセントに使う「外国人 foreigner」という言葉が気になって仕方ない。記述のために使っているのであって、否定的含意を持ちうる用語として使っているのでないのはわかる。しかし、foreignと名指した時点で、そこに、あ…
「解放のためには、権力と支配がみずからを覆す転換点を見出すことが不可欠である。自己転覆という考え方は、アナーキストの思考における決定的な考え方のひとつだ。外部から働きかけるだけでは、支配を覆すことはできない。支配の内部には亀裂が走っており…