Wall Stree JournalのポッドキャストYour Money Briefing、20220216
*給料の払われ方(日、週、月)と、消費行動に相関関係はあるのか
→ある
*Wendy De La Rosa (ペンシルヴァニア大学のThe Wharton Schoolのassistant professor)らによる調査
→日払いはgig workersのあいだでポピュラー
←ただし、日払いは昨今の発明ではなく、サービス業は伝統的に日払い的な側面があった
→payroll technologyの発展で、日払いによって発生するコストが下がった
→パートやバイト(hourly workers)にまで日払いの慣習が広がっている(例:最大雇用主であるウォールマートが、希望者には、日払いを選択できるようにしている)
⇒日払いが、特定の業種だけではなく、全般的なトレンドになってきている
→3万人の消費者(幅広い所得層)を対象にした調査
→高所得層:給料の頻度と消費動向のあいだの相関関係は低い傾向にある
→とくに、低所得層に相当する400人にフォーカス
→消費動向を調べるために、シミュレーションを行った;
毎日払われる場合、毎週(ないしは二週間おき)に払われる場合に分けた
→給料の支払いの頻度が上がると、消費額も上がった
→なぜ支払い頻度と消費動向に相関関係があったのか?
→支払い頻度が高いと、実際上にお金があると錯覚する( "higher subjective wealth perceptions")
→赤字にならずにやっていけるという確信が強まる("greater certainty about their ability to make it through the month")
→心配や不安が減る
→支払い頻度と貯蓄動向に相関関係はあったか? 支払い回数が増えると、貯蓄する傾向が強まるか?
→今回の調査はその点はカバーしていない
→しかし、間接的には、そのような相関関係はなさそうだ
→しかし、問題は、消費を推奨し、貯金を推奨しないわたしたちの社会にあるのではないか
→支払い回数が増えることで得られる、実際以上にお金があるという錯覚を、貯蓄につなげていくような介入 interventions は可能か
結論
1)100ドルという数字と、それをどのように受け取るか perceptionsは別物で、究極的には、感じ方のほうがわたしたちの行動に影響を与えている
2)日払いを可能にしたアプリは、手数料を取っている=支払いの頻度を増やすほどに、手取りが減る⇒日払いは実際に上にお金があると錯覚させ、金遣いが荒くなるばかりか、アプリのせいで所得の正味額も目張りする
⇒アプリの料金体系の問題=雇用主ではなく、被雇用者のほうが使用料を負担する構造になっている
*人間はつねに合理的な計算をできるわけではない
*このような日払いシステムを導入することが、低所得層のためになるのかを問わなければならない