うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

騒ぎ出す力(大杉栄「直接行動論」)

「大ぜいで騒ぎ出すということは、弱いものの持っているただ一つの力である」(大杉栄「直接行動論」)

当時の人の理想や実験節としての民俗や神誌(南方熊楠、柳田国男宛書簡)

「小生は、民俗とか神誌とかいうものは仮想や詩想や寓意に出でしものにあらず、その当時の人の理想や実験説をのべたもので……これも分からぬ、あれも分からぬではすまぬゆえ、実際分からぬなりに分かったつもりで述べたもの行ったものが、古話、伝説、民俗と…

政治的権利(クロポトキン『叛逆者の言葉』)

"What, in fact, is a political right if it is not an instrument to safeguard the independence, the dignity and the freedom of those who do not yet have the power to impose on others a respect for that right? What is its use, if it is not a…

「国民精神の健康」(パウンド「教師の使命」)

"The mental life of a nation is no man's private property. The function of the teaching profession is to maintain the HEALTH OF THE NATIONAL MIND." (Pound. "The Teacher's Mission.") 「国民の精神生活はだれかの私有財産ではない。教育職の役目…

アメリカ観察記断章。タトゥーについて。

アメリカ観察記断章。タトゥーについて。自分の見るかぎり、タトゥーをしている人は、三つのグループに分けられる。ひとつ、アスリート(そしてその民衆的な反映としてのブルーカラー)。ふたつ、セレブリティ(そしてその反映としてのファッショニスタ)。…

普遍的歓待、または敵扱いされない権利にして一時的な滞在権(カント「恒久的平和」)

"[Universal hospitality] is not a question of philanthropy but of right. Hospitality means the right of a stranger not to be treated as an enemy when he arrives in the land of another. One may refuse to receive him when this can be done wi…

アメリカ観察記断章。男性性と軍隊的なものの近さ。

アメリカ観察記断章。アメリカにおいて「男性性」ないしは「マッチョさ」の極点には軍隊的なものがあるのではないかという気がしている。ふたつの例。ひとつめ。先学期、ある学生が何度か授業を欠席したのだけれど、学期末のレポートのなかで「軍隊の訓練に…

物語装置に記録されないこと(ジェイムソン『未来の考古学』)

"[I]n narrative analysis what is most revealing is not what is said, but what cannot be said, what does not register on the narrative apparatus." (Jameson. Archaeologies of the Future. xiii) 「物語分析においてありありと明るみに出るのは、語…

アメリカ観察記断章。Democracyの原風景。

アメリカ観察記断章。アメリカの学生はdemocracyというと何を思い浮かべるのか。正直、彼女ら彼らが政治(的なもの)としての民主主義で何を理解しているかはいまだによくわからないが、民主主義的な価値観ということになれば、ふたつのポイントがすぐに思い…

アメリカ観察記断章。英語の敬語表現。

アメリカ観察記断章。英語の敬語表現はたしかに日本語ほどややこしくない。実を言えば英語特有の面倒な問題がいろいろあるけれど、日常のシーンで単純にちょっと敬意度を上げたいなら、sirというような表現を「付け足せ」ばそれで案外間に合ってしまうらしく…

アメリカ観察記断章。夏のDMV。

アメリカ観察記断章。毎年夏になるとDMV(Department of Motor Vehicles)のオフィスに足を運ぶ羽目になる。ビザの関係上、大学は1年単位でしか滞在許可を出してくれないので、それに合わせて免許証も毎年書きかえなければいけない。しかし、DMVほどできれば…

アメリカ観察記断章。「他者」が傍にいるのがカリフォルニアの現実。

アメリカ観察記断章。このところ夜は家で夕飯を食べたあと近所のスタバで1、2時間本を読むことにしているのだけれど、店内を見渡すと、中近東を出自とする(らしい)男たちをものすごくよく見かける。彼らが夏の間だけの学生なのか、それともUCIの生徒なのか…

アメリカ観察記断章。「日本語」が聞こえてきた。

アメリカ観察記断章。先日巨大ショッピングモールを歩いていて、前方から「日本語」が聞こえてきた。自分の耳に届いたのは「えー」という音だけだったけれど、なぜか、それが日本語であると瞬時に断定できたのだ、すれ違うとき、確認のために耳を澄ませてみ…

アメリカ観察記断章。加工されたオーガニック。

アメリカ観察記断章。「有機的organic」であることと、加工されていることは、アメリカでは、矛盾しないらしい。だから「オーガニックミルク」でも「低脂肪」「無脂肪」のものがあるし、オレンジジュースにしても「カルシウム添加」があり、卵にしても「ω-3…