うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカ観察記断章。アメリカンドリームという神話の残存。

アメリカ観察記断章。先の表情が読めなくて怖いと言った学生はものすごく熱心な子で、毎回授業の後にいろいろ質問をしてくれるので、こちらとしても嬉しくて、できるかぎり誠実に返答しようと心がけている。彼女は中東からの移民第二世代で、彼女の家庭のな…

アメリカ観察記断章。明確な指標としての表情。

アメリカ観察記断章。先日授業のあと学生が書きかけのドラフトにコメントして欲しいというので「かまわないよ」と答えて読み始める。少しして学生がおもむろに、I'm scared because your face shows no expression and I can't read from your face what you…

アメリカ観察記断章。有償のサービスと無償の権利。

アメリカ観察記断章。エドワード・スノーデンがあるインタビューで「隠すものなどないから見せても構わない、というのは、権利を放棄するのと同じことだ。プライバシーは権利なのだから、我々はそれを正当化する必要などない。正当化しなければならないのは…

アメリカ観察記断章。トラブルを避ける術としての最低限のコミュニケーション。

アメリカ観察記断章。現代日本の都市空間で見ず知らずの人(そしてこのさき継続的かつ親密な関係を持つ可能性がほとんどない人)とコミュニケーションをとろうとする人は稀だろう。駅のホームだとかスーパーのレジだとか、そういう場所でアカの他人といきな…

アメリカ観察記断章。季節のリズムを決めるイベント。

アメリカ観察記断章。南カリフォルニアで買い物をしていると季節の移り変わりをつかむことが難しい。同じラインナップの野菜が一年中棚に並んでいるからだ。もちろんこれは今の日本でも同様かもしれない。しかし日本の場合、それでも、たとえば冬になると葉…

アメリカ観察記断章。和製英語の正しい英訳。

アメリカ観察記断章。英語を話していて微妙に困るのは、和製英語の正しい英訳が思いつかないときかもしれない。とはいえ和製英語であると気づけるのはまだいいほうで、長らく英語であると信じて疑わなかったものが実は和製英語なのだとわかって驚くことも少…

「芸術」を私物化する(ストッパード『トラヴェスティーズ』)

"TZARA: Nowadays, an artist is someone who makes art mean the things he does." (Stoppard. Travesties.) 「ツァラ 芸術とはわたしのやっていることだ、と芸術に言わせることができる者が、今日、芸術家となる。」(ストッパード『トラヴェスティーズ』)

完全で普通で並外れた男(チャンドラー「殺人という単純な芸」)

"He must be a complete man and a common man and yet an unusual man." (Chandler. "The Simple Art of Murder.") 「彼は完全な男で、普通の男で、しかし並外れた男でなければならない」(チャンドラー「殺人という単純な芸」) ホイットマン的なだろうか…

アメリカ観察記断章。ユニオン。

アメリカ観察記断章。秋学期がやっとスタートした。今年度はなぜか例年より一週間ほど始まりが遅く、すでに10月になっている。それに合わせて今週の火曜にCompositionのスタッフミーティングがあり、それに参加する。朝9時開始、昼食休憩を挟み、3時半まで続…