2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
図書館の新刊本の棚にあった小菅陽子『ウィーン菓子図鑑』(誠文堂新光社、2022)をパラパラめくっていたら、リンツァートルテというお菓子は「生地とジャムが混ざらないように間にオブラートを挟んで焼きます」(17頁)とあった。「そんな変わったことをす…
テマーソン 音楽は演奏されなくても存在するのでしょうか? ローゼン ええ、存在します。音楽を頭の中で演奏解釈したり、それを耳にすることなく、詩のように読んだりすることができますから。それは、演劇作品を読んだり、その演出を想像したりするのと同様…
20221114@Cinezart エンタメ映画としてはよくできていると思う。2時間を飽きずに見させてくれるし、最後の20分での盛り上がりも申し分ない。きちんと感動させてくれる。商品としての出来は申し分ない。 『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』の物語をミック…
峻厳という言葉がギュンター・ヴァントほど似合う指揮者はこれまでもこれからも存在しないのではないかという気がしてならない。ヴァントの音楽の鋭さは比類ない。ほとんど人を拒むような、音だけを求めるような、孤高の高貴さ。 1912年生まれのヴァントは21…
ケアにまつわる皮肉は多くありますが、そのなかの一つには、実際には富裕層こそが最も依存的であり、彼女たち・かれらは、数え切れないほどの個人的な仕方で、お金を支払う見返りにサーヴィスを提供してくれる人たちに依存している、という皮肉があります。…
宮城聰演出、ヘンリック・イプセン『ペール・ギュント』20221106@静岡芸術劇場 双六が舞台を支配している。サイコロの目がマスにあしらわれた、舞台奥が高くなるように傾斜した、とてつもなく巨大な双六盤が、舞台中央を覆うように、少し斜めに置かれている…
宮城聰演出、ヘンリック・イプセン『ペール・ギュント』 20221008@静岡芸術劇場 宮城聰は日本近代の問題を自身の演出に批判的なかたちで取り入れようと苦闘し続けている。ヘンリック・イプセンの最後の韻文劇『ペール・ギュント』自体がそもそも西欧植民地…