うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

質量をもったオブジェ、非能率的な何物か(四方田犬彦『先生とわたし』)

「彼は書物を情報の集積物としてのみ遇することを軽蔑した。書物はまず質量をもったオブジェであり、整理カードや検索機に還元できない、非能率的な何物かでなければならなかった。ある主題の論文を執筆せんがために、体系的に書物のリストを制作し、それを…

人民の自由への根源的な希求(中沢新一『僕の叔父さん』)

「根源的な自由を求める心というものが、人間の本質をつくっている。だから人類はそれぞれの社会条件に合わせながら、さまざまな形態のアジールをつくり出すんだ。未開社会には未開社会の自由の空間というものがあったし、古代社会には古代社会の自由を表現…

作者の権力、読者による権力奪取(笠井潔『動物化する世界の中で』)

「作者が自作の意味や読み方を、読者に権力的に強制する。あるいは「規律化」する。このような規律権力の行使に、民主主義の立場から抗議しても無力です。民主主義的主体それ自体が、規律権力によって生産されている以上。「読み抜き、読み破り、読み壊すと…

「理屈ではない優しさ」(ウルフ『灯台へ』)

"It was odd, she thought, how if one was alone, one leant to inanimate things; trees, streams, flowers; felt they expressed one; felt they became one; felt they knew one, in a sense were one; felt an irrational tenderness thus (she looked …

アメリカ観察記断章。Liquor、CLEANERS、ALTERATIONS。

アメリカ観察記断章。Liquorショップは日本の感覚からすると微妙に時代錯誤な感じがする代物だ。あえていえば、地方小都市でしか見られないような遺物に東京周辺で遭遇してしまったような驚きと戸惑いがある。しかしこの路線でアメリカの郊外を見なおしてい…

アメリカ観察記断章。アメリカの看板表記。

アメリカ観察記断章。アメリカの看板表記はなぜこうもそっけないのだろう。ショッピングモールのある一角の入口にはだいたいそこに入っている店舗が記載されているのだが、だいたい、文字情報だけ、店舗名だけだ。色使いもそっけなく、白地に黒というシンプ…

アメリカ観察記断章。市町村の資力とインフラの充実具合。

アメリカ観察記断章。日本でも市町村の資力によってインフラの充実具合に差があるとは思うが、アメリカはそれがとくに目に見えてしまうところがある。基本的に民主党が強いカリフォルニアにおいて数少ない共和党の牙城であるOCを離れ、LAから南に20マイルほ…

「街は多彩、雑多、充溢そのもの」(渡辺京二『逝きし世の面影』)

「バードの記述でおどろかされるのは、それぞれの店が特定の商品にいちじるしく特化していることだ。羽織の紐だけ、硯箱だけ売って生計が成り立つというのは、何ということだろう。もちろん、店の規模はそれだけ小さくなる。ということは一定の商品取引量の…

見慣れぬこまごました生活の細部に注がれるエキゾティシズム(渡辺京二『逝きし世の面影』)

「人間にとって政治経済的諸関係はたしかに、その中で生きねばならぬ切実な所与であるだろう。しかしそれに劣らず、いやあるいはそれ以上に、煙草入れや提灯やこまごました飾りものは、一個の人間にとって生の実質をみたす重要な現実なのだ。アーノルドは日…

偏見の色眼鏡ではなく薔薇色の眼鏡で見る(モース『日本のすまい、内と外』)

"In the study of another people one should if possible look through colorless glasses; though if one is to err in this respect, it were better that his spectacles should be rose-colored than grimed with the smoke of prejudice. The student …

アメリカ観察記断章。サードウェーブ系コーヒーショップのなかの微妙な違い。

アメリカ観察記断章。コーヒー好きなので(あとコーヒーはいくら高くともたかが知れているから、というのもあるが)いろいろな店に行ってみた。偏見かもしれないが、いわゆるサードウェーブ系のなかにも微妙な違いがあるように思う。そしてそれと似たような…

ついに博士論文草稿を書き上げる

UCI

Okay, I finally, FINALLY, finished writing the last chapter on Kropotkin. Last two months I kept telling people that I was finishing it and I meant that. I believed that I was finishing, but I kept writing and revising, which became an une…