2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「二人なら三人分働けるけれど、一人で二人分やることはできない[two people can do three jobs but one person cannot do two]」(Le Guin. The Last Interview and Other Conversations. 173)
「わたしたちの文化がかかえている困った問題のひとつは、想像力に敬意を払わず、想像力をトレーニングしないことです。想像力には練習が必要です。実際に使ってみる必要があります。たくさんの物語に耳を傾けたことがなければ、そして、どうやるのかを学ん…
「もし物語で言おうとしていることを正確に言えるとしたら、たくさんの言葉を費やしてそれをそのまま言えばいいだけのことです。やきもきして、大騒ぎして、プロットとキャラクターたちを作ることはないでしょう。物語で言うのは、それがそう言うことができ…
「20世紀の——そして21世紀の——多くのアメリカの読者はそれ[リアルなもの]だけを求めています。求めているのはノンフィクションなのです。そのような人々はこんなふうに言うでしょう、「フィクションは読まない、リアルじゃないから」。これは信じられない…
翻訳語考。Constitution は訳しづらい。リーダーズは6つの定義(6つ目は固有名なので除外する)を挙げている。つまみ食い的にリストアップすると、「1.制定、2.構成、構造、組織、3.体格、体質、4.機構、政体、5.憲法」。 接尾辞 -tion で名詞化さ…
翻訳語考。Rule of law は「法の支配」と訳せば過不足ないだろうか。定訳として確立されているという意味では、そうするのが模範解答ではある。しかし、rule にしても、law にしても、それぞれ問題があるように思われる。ひとまずここでは law について考え…
このところずっとベルクの『ルル』と『ヴォツェック』をYouTubeで聞いているのだけれど、昔思っていたのとは裏腹に、実は両者は作曲技法的にかなり連続したものではないかという気がしてきた。どちらも、言ってみれば、『パルジファル』ー『ペレアス』/『フ…
わたしは目をとじて想像する 風にはこばれてきた一個の種子が 一個の屍骸のうえにふわりと落ち 腐爛した肉 くずれた骨を養分として ちいさな芽を出し ちいさな双葉をひらかせ ちいさな白い星形の花を咲かせる瞬間を(「希望」893-94頁) このようにして松浦…
旧カトリック清水教会解体資材展@松坂屋北館3階 静岡駅北口側にある松坂屋は本館と北館に分かれており、北館は一階にはフェラガモ、ロレックス、ティファニーといったハイブランドが入っているため、基本的に近寄ることすらないのだが(場違いな気分にさせ…
オペラはアンサンブルだ。そこでは歌手とオーケストラと舞台と指揮者が混然一体となり、ひとつの総合的な出来事が姿を見せる。それはまったく当たり前のことではあるけれども、その当たり前のことが、歌劇場が大きくなればなるほど、困難になっていくようで…
ロールズについての新書(玉手慎太郎『ジョン・ロールズ――誰もが「生きづらくない社会」へ』講談社現代新書)を読む。ロールズの思想全般を扱ったものではなく、彼の主著『正義論』にのみ的を絞った解説本で、新書としては薄い部類に入るだろう。わずか120頁…
「フランス語は受動態を嫌うと言われています。実際に調査してみると、確かに英語や日本語に較べてフランス語では受動文は少ないのです。「主語-動詞-直接目的語」という語順を直接語順(order direct)と呼びますが、フランス語は直接語順を好む傾向が他…