うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

20230331 東海大学海洋博物館の閉館日に足を運ぶ。

東海大学海洋博物館(水族館と海洋研究関連の展示)が今日で一般公開を終了するというので来てみた。予想以上に充実した内容だった。閉館を惜しむ声が多数上がっているのはよくわかる。隣りにある自然史博物館(静岡県の地質的成り立ちと恐竜の展示)はやや…

20230320 『The First Slam Dunk』を観る。

まったく前情報なしで観た結果、「そうか、そういう映画なのか」と思った。宮城リョータの物語としての山王戦。 たしかに漫画版は桜木花道が主人公であり、彼の成長物語だった。赤髪の地毛のわりに内向的な性格の不良である桜木は、惚れっぽいがフラれてばか…

20230319 『東海道の美 駿河への旅』(@静岡市美術館)に行く。

いちおう行くかというぐらいの気持ちで行ったけれど、この展覧会はどう捉えたらいいのだろう。東海道をめぐる「美術展」としては正直物足りないが、「歴史資料」の展示と見るなら悪くない。しかしキュレーターの意図はどうやら前者にあるようで、そこがどう…

20230315 『RRR』を観る。

『RRR』を観る。これは危険なエンターテイメント映画だ。 1920年代の英国統治下のインドが舞台。主人公となるのは二人の男。ひとりは、インド総督の妻の気まぐれで奪われた妹エッリを取り戻そうとするゴーント族のビーム。もうひとりは、英国統治下のインド…

20230313 『フェイブルマンズ』を観る。

あまり期待もせず、あまり前情報も入れず観たが、とてもよい映画だった。どこかのシーンがとびぬけてよいわけでもないし、何か突出したものがあるわけではない。淡々と進んでいく家族の物語だ。にもかかわらず、観終わったあと、しみじみと「よい映画を観た…

20230309 平野啓一郎講演会に行く。

静岡大学翻訳文化研究会が主催する講演会が無料だったので聞きに行く。講演者は小説家の平野啓一郎。演題は「多言語の中の日本小説」。 会場である静岡県男女共同参画センター「あざれあ」は、思ったより駅から離れていた。「男女」と掲げているけれど、比重…

20230307 ピーター・N・スターンズ『人権の世界史』を読む。

流し読みで通読した、というか、パラパラとページをめくりながら、ちょこちょこ拾い読みした。だからとても内容を正しく理解しているとは思わない。けれど、人権をグローバルな規模で、世界史的な展望において捉えなおすとどう見えてくるのかという問題につ…

20230306 『エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス』を観る。

大真面目に作った壮大なB級映画と言いたくなる出来だった、『エヴリシング・エヴリウェア・オール・アット・ワンス』は。「ようこそ最先端のカオスへ」というポスターの宣伝文句は、良くも悪くも、的を射ている。物語内容も、ストーリー展開も、映像表現も、…

生物の生得的な数学的能力、人類史における数学の社会的有用性:ステファン・ボイスマン『公式より大切な「数学」の話をしよう』

数学を使えば、都市やある程度以上の大きさの社会集団の事務処理が簡単になる。課税・徴税は数を用いなくてもできるが、かなり込み入った仕事になるため、実質的には数学なしには無理だ。集落の規模が大きくなり、交易がさかんになれば、どこでも数学が発展…