うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしたちが成すものについての理論としての哲学(ドゥルーズ『経験主義と主観性』)

"La philosophie doit se constituer comme la théorie de ce que nous faisons, non pas comme la théorie de ce qui est." (Deleuze. Empirisme et subjectivité. 152)「わたしたちが成すものについての理論として、哲学は自らを構成しなければならない。…

所与のなかで/から所与を越える(ドゥルーズ『経験主義と主観性』)

"Voici le problème: comment, dans le donné, peut-il se constituer un sujet tel qu'il dépasse le donné?...Ce sujet qui invente et qui croit se constitue dans le donné de telle façon qu'il fasse du donné lui-même une synthèse. un système. C'…

dépasser/dépassement(ドゥルーズ『経験主義と主観性』)

Which word does best correspond to dépasser/dépassement in English? surpass? overrun? But it seems to me both of them don't quite fit in sentences like this: "La transcendence ou le dépassement ; j'affirme plus que je ne sais, mon jugement…

アメリカ観察記断章。上昇志向の人間を肯定し、応援する機運。

アメリカ観察記断章。すべてのアメリカ人がすごいのかというと、そんなことは全くない。おそらく本当にすごいのは一握りのアメリカ人だと思う。ある意味で、平均的数値を取れば、日本のほうがアメリカよりずっと優れていると思う。ではなぜアメリカは偉大な…

多様な単数(ドゥルーズ『ベルクソン主義』)

"Le Être, ou le Temps, est une multiplicité ; mais précisément il n'est pas « multiple », il est Un, conformément à son type de multiplicité." (Deleuze. Le Bergsonisme. 87) 「存在、つまり時間は、多様体である。しかし、正確に言えば、それは「…

アメリカ観察記断章。思いやりの欠如、思いやりの過剰。

アメリカ観察記断章。日本人は清潔好きだと思う。これはかなりのところまで温暖多湿な気候によるところが大きい。きれいにしていないとすぐに腐敗し悪臭がただよってしまうからそうせざるをえない。しかしこうした地理的条件とはほかに、文化的条件付けもあ…

学生のペーパーを読んで落胆する、身勝手に、矛盾含みに。

UCI

It makes me very sad to read students' papers that are really bad because they did nothing to respond to my feedback, as if refusing to hear any of my advice. Yet, I'm quite sure I'd feel uncomfortable, even disappointed, when students fol…

免許証、酒の渇き

UCI

Finally a new driver license card arrived--the last one expired a month ago--so now I can go to a grocery store and buy bottles of whiskey. Yesterday I had to sleep without alcohol and I couldn't remember when was the last time I spent a s…

想起と創造と思考(プルースト‐ドゥルーズ)

Je pose la tasse et me tourne vers mon esprit. C'est à lui de trouver la vérité. Mais comment? Grave incertitude, toutes les fois que l'esprit se sent dépassé par lui-même; quand lui, le chercheur, est tout ensemble le pays obscur où il do…

所与ではありえない全、還元不能に多元的なアクチュアル(ドゥルーズ『ベルクソン主義』)

"...la vie comme mouvement s'aliène dans la forme materielle, elle perd « contact avec le reste d'elle-même ». Tout espèce est donc un arrêt de mouvement ; on dirait que le vivant tourne sur soi-même, et se clôt. Il ne peut pas en être aut…

ノンアルコールビールで消化不良

UCI

Two findings last night: 1) Non-alcohol beer doesn't taste bad and I even like it, but it sometimes seemed to make me dizzy and inert. 2) I'm still experiencing maldigestion and I suspect this is being caused by bottles of non-alcohol beer…

アメリカ観察記断章。個人主義と家族主義の相補性。

アメリカ観察記断章。アメリカが個人主義的であるというのはおそらく間違いではない。しかしここには家族主義という強力な補完項が存在しているし、もしかするとこの後者こそがアメリカ社会の基層にあるのではないかとすら思う。たとえば大統領選。オバマ本…

アメリカ観察記断章。サロネン、ガーディナー。

アメリカ観察記断章。先週はサロネン・フィル管、今日はガ―ディナー・オルケストル・レヴォリュシオネール・エ・ロマンチークを聞きにいき、どちらもオケの面子のほとんどが白人であることに驚き、そんなことに驚いた自分にまた驚いた。5年もこちらにいて気…

翻訳語考。前置詞の問題。

適当日本語比較論。西洋語で話し書くことの困難さは、つきつめれば、冠詞と前置詞の問題に集約されるのではと思えてきたこの頃。名詞、形容詞、動詞、副詞については辞書を調べまくり、ひたすらググればなんとなく納得できる。しかし、前置詞についてはいま…

アメリカ観察記断章。惣菜の盛りつけ。

アメリカ観察記断章。いまだに違和感を禁じえないもの。惣菜の盛りつけ。大学カフェテリアにある中華料理の店では、一品だけ持ち帰りを頼むと、紙の箱に料理を入れてくれるのだが、これがどうにも馴染めない。自分でもうまく説明できないのだけど、食べ物を…

アメリカ観察記断章。アメリカは感謝祭ムードへの移行。

アメリカ観察記断章。ハロウィンが終わり、アメリカは感謝祭ムードに移行しつつある。感謝祭は基本的に食べ物によって弁別されるイベントだ。ターキー、パンプキンパイ、クランベリーソース。自分の見る限りサンクスギビング特有の飾りつけはないように思う…

翻訳語考。冠詞の問題。

適当日本語比較論。複数形にもまして厄介なのは冠詞の問題だ。いまだに苦戦しているし、こればかりはどんなに辞書を調べても確信するまでには至れないでいる。それにしてもなぜ日本語には冠詞がないのだろう。いや、むしろ、なぜ英語(フランス語ドイツ語イ…

翻訳語考。字義的に翻訳できないところ。

適当日本語比較論。少し日本語をたしなむ友人と小津の『秋刀魚の味』を見ていて、「なんだい?」っていうのはどういう意味だと尋ねられ、「だい」という日本語ならまったく何でもない二文字が字義的に翻訳できないことに気づかされた。そしてよくよく考えて…

アメリカ観察記断章。アメリカ人の薄着。

アメリカ観察記断章。なぜアメリカ人はこんなに薄着でいられるのだろう。11月も半ばにさしかかったとはいえたしかに南カリフォルニアは日中まだかなり暑い。しかし日暮れとともにぐっと気温が下がり秋らしい陽気なのだ。にもかかわらず、人種を問わず、いま…

翻訳語考。冠詞の問題、数の問題。

適当日本語比較論。西洋語をすこしでもかじったことがある方なら冠詞の問題の厄介さをよくご存じだろう。それと近いところで単数複数の問題があると個人的に思う。日本語は数量表現について無頓着すぎるともいえるし(全般的な意味で)、こだわりすぎるとも…

宇宙の鳴動と響き合う肯定(ファノン『黒い皮膚、白い仮面』)

"L'homme est un OUI vibrant aux harmonies cosmiques." (Fanon. Peau noire, masques blancs. 6) 「人間は宇宙の鳴動と響き合う肯定である。」(ファノン『黒い皮膚、白い仮面』)

人間の肯定と否定(ファノン『黒い皮膚、白い仮面』)

"Oui à la vie. Oui à l'amour. Oui à la générosité./ Mais l'homme est aussi un non. Non au mépris de l'homme. Non à l'indignité de l'homme. A l'exploitation de l'homme. Au meurtre de ce qu'il y a de plus humain dans l'homme : la liberté." (…

アメリカ観察記断章。「アメリカはでっかい田舎なのさ」。

アメリカ観察記断章。『バナナ・フィッシュ』でアッシュ・リンクスは「このバカでかい国に「都会」なんて呼べるところはごくわずかなんだ。アメリカはでっかい田舎なのさ」と自嘲気味に述べるが、アメリカに住んでいるとこれはすごく正しいと思う。というか…

アメリカ観察記断章。何かしらの統合のモメント。

アメリカ観察記断章。アメリカは多文化多民族的だ。しかしそれでもそこに何かしらの統合のモメントが存在していることは否定できない。たとえばハロウィーン。いまだにまるで理解できないでいるのだけれど、ハロウィーンのコスチューム熱は文化圏や民族圏を…