うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

嘲笑される万人の幸福(ゾラ『居酒屋』)

"Gervaise se moquait du bonheur de tous." (Zola. L'Assommoir.) 「ジェルヴェーズは万人の幸福をあざわらった」(ゾラ『居酒屋』)

アメリカ観察記断章。アメリカの「百貨店」?

アメリカ観察記断章。アメリカに日本で言うところの「百貨店」があるのかと問われると、答えに窮する。ないわけではない。NordstromだとかMayc'sはたしかに「デパート」のようで、高級(志向)で年齢層が高めのメンズやレディースの洋服があり、化粧品があり…

進まない原稿、日々の怖ろしい空しさ(ゾラ『ウージェーヌ・ルーゴン閣下』)

"D’ailleurs, il laissa traîner sur son bureau le manuscrit commencé, bien qu’il n’y ajoutât pas vingt lignes par semaine. Chaque fois qu’on le questionnait sur ses occupations, il répondait en expliquant son idée tout au long, et en donnan…

書けていない発表原稿

UCI

It's embarrassing that a presentation proposal was accepted but no word is yet written and you have only a month to finish a draft.

アメリカ観察記断章。階級的で年齢的な飲み物としてのアルコール。

アメリカ観察記断章。ビールはきわめて階級的で年齢的な飲み物であるようだ。大学院生の集まりともなればビールが主流、ファカルティ主催のものならワインがメインになる。とはいえ、これは文化的なもので経済的なものではないように思う。実際、かなり安い…

アメリカ観察記断章。アメリカで売っているビール。

アメリカ観察記断章。アメリカで売っているビールといえばまず圧倒的に瓶である。それも日本のような大瓶ではなく、350mlほどの小瓶で、厚紙のパックに6本入ったものがもっともスタンダード。安いもので6ドル弱、高くても10ドル前後。そしてだいたいが地ビー…

発表原稿から発表要旨

UCI

I'm just curious to know whether you compose a conference presentation abstract and then begin to write a manuscript (after it's accepted) or first finish a paper and then write conference abstracts, as you find conference topics match the…

自分の翻訳と再会する

I finally opened a copy of the translation I did more than five years ago and never bothered to reread since it's published. To my great amazement I recognize every single sentence! Every page vividly reminds me of the unending pains I exp…

アメリカ観察記断章。アメリカのスーパーで買える肉。

アメリカ観察記断章。結構長い間擬似ベジタリアンな食生活を送っていたが、最近また肉を食べるようになった。アメリカのスーパーにおける肉のパッケージは日本のそれと大きく異なる。まず薄切り肉がないし、挽き肉はマージナルなものである。牛肉なら基本は…

知性と責任(ル・グウィン『さいはての島へ』)

"Having intelligence, we must not act in ignorance. Having choice, we must not act without responsibility." (Le Guin. The Farthest Shore.) 「わたしたちには知性があるのだから、無知に行動してはならない。わたしたちは選ぶことができるのだから、…

日本人であって自分のように英語をこなせるにんげん(小島信夫「アメリカン・スクール」)

「彼らがこうして辿りついたアメリカン・スクールは広大な敷地を持つ住宅地の中央に、南にガラス窓を大きくはって立っていた。敷地は畠をつぶしたのだ。アメリカ人にとっては贅沢なものとは云えないが、疎らに立ちならんだ住宅には、スタンドのついた寝室の…

「宿酔に相当した時期」(梶井基次郎「檸檬」)

「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。」(梶井基次郎「檸檬」)