うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

メタ言語の有在、メタ社会の非在(バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』)

"Il y a une métalangue, il n'y a pas de métasociété." (Benveniste. Problèmes de linguistique générale, 2. 97) 「メタ言語はある、メタ社会はない。」(バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』2巻97頁)

教えて欲しかった英語。相槌の打ち方。

教えて欲しかった英語。相槌の打ち方。日本語だと首を縦に振っていればいい。英語でも、まあ、それでOKといえばOKだが、多少話せるようになると、もう少し芸のある返しがしたいという欲が出てくる。cool!とかawesome!とかあたりが使いやすいレパートリー…

適当比較日本語論。「ありがとう」≠「thank you」。

適当比較日本語論。「ありがとう」と「thank you」はイコールで結べないような気がする。thank youはありがとうよりもずっと軽い。thank youは日本語のニュアンスで言うと「どうも」に近いのではないか。床に落ちたペンを拾ってくれた人に「thank you」、ド…

学生のレポートを読みながら

Reading students' papers, I finally realized that I wanted to teach them Barthes' structural analysis of the narrative, Jameson's notion of the subtext that is something unfolded from within the text, in contradistinction to the context th…

アメリカ観察記断章。アフロ・アメリカンの学生の尖り方。

アメリカ観察記断章。南カリフォルニアというか、いま自分がいるキャンパスでは、アフロ・アメリカン系の学生に会うことがあまりない。英作文のクラスは23人だが、そこにひとりいるかどうか、というぐらいの比率。しかし自分の見てきたかぎり、アフロ・アメ…

暴飲

1.75リットルのウォッカが10日で空になり、数日前に買ったはずの焼酎(750ミリリットル入り)がなぜかもう2/3も空いている。なんだこれ。

アメリカ観察記断章。Soka University。

Soka University。創価学会が母体の大学。実は近所にあった。仏教系じゃないのかよ、とツッコミを入れたくなるほどに、イタリア風というか教会的な建物。しかしかなり趣味がいい。植林が面白い。松の木とヤシの木が道を挟んでそびえていたり、重厚な教会風の…

話すことは「何かについて」話すこと(バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』)  

"parler, c'est toujours parler-de" (Benveniste. Problèmes de linguistique générale, 2. 62) 「話すこと、それはつねに何かについて話すことである。」(バンヴェニスト『一般言語学の諸問題』2巻62頁)

1.75リットル入りのウォッカの瓶(20ドル弱)

買ってまだ一週間も経たないのに1.75リットル入りのウォッカの瓶(20ドル弱)がすでに半分以上空いている。さすがにこのハイペースはまずいな。

美しい日本的随筆の非論理性の反英語性

小林秀雄の随筆が名文であるかどうか、それは究極的には美学的問題だからひとまず脇に置こう。ここで問いたいのは、小林秀雄の文章を受験勉強で読まされること、さらに言えば、このよくもわるくも典型的な日本的随筆の明確な論旨をたどろうと言う作業が、果…

教えて欲しかった英語。フレーズ感。

教えて欲しかった英語。フレーズ感。もし日本人の英語が通じにくいとしたら、それは英語の自然な流れをぶったぎるような真似をしているからかもしれない。もちろん、通じない理由はいろいろありうる。発音が間違っている、抑揚がおかしい、強勢の位置がずれ…

ピリオドのあとのスペースはいくつ?

センター英語試験問題をざっと流し読みしていて気づいたが、日本の英語教育では、ピリオドのあとスペースは二つ、と決まっているのだろうか。ピリオドあとのスペース数はネイティブでもまちまちだし、どちらかが絶対的に正しいというわけではないように思う…

教えて欲しかった英語。発音。

教えて欲しかった英語。発音。まず認めるべきは、英語が日本語とは異なる音韻体系に属しているという事実だ。よほど恵まれたニュートラルな耳を持っていないかぎり、日本語話者は英語の音を正しく認識できない、多くの英語の音は日本語にそもそも存在しない…

あなたはだれですか、と尋ねてくれるな。(フーコー『知の考古学』)

"Plus d'un, comme moi sans doute, écrivent pour n'avoir plus de visage. Ne me demandez pas qui je suis et ne me dites pas de rester le même: c'est une morale d'état civil; elle régit nos papiers. Qu'elle nous laisse libres quand il s'agit …

教えて欲しかった英語。名前で呼びかけること。

教えて欲しかった英語。名前で呼びかけること。もはや英語ですらないけれど、これは英語コミュニケーションの基層にある。たとえば挨拶。how are you?はhi, XXという前置きがある。そしてこれをスムーズに口にできないと会話が始まりさえしない。アメリカ生…

今日も今日とて酒を飲む

今日も今日とて酒を飲む。そんなことを何年も続けているとたとえどれほど酔っ払おうと自分の酔い具合を奇妙なほど客観的に捉えられるようになる。ただただこうしてひとりしずかにひたすら酒を飲む、それはもしかすると自分の体(と心)の実験なのかもしれな…

酒飲みの永久機関

やはり蒸留酒をショットグラスで飲むのはやめたほうがいいみたいだ。すでにウォッカを4、5杯あおっているのに、なぜか酔いが回らず、ただひたすらに杯を重ねてしまっている。そんなことを書きつけているあいだにグラスは空になり、気がつけばまたなみなみと…

教えて欲しかった英語。英語の呼吸。

教えて欲しかった英語。それは複雑な構文でもなければ格好いい表現でもない。何の変哲もない日常の言葉だ。たとえば挨拶の呼吸。あえて呼吸と書こう。というのも、英語のなかで四年間なんとか生きのびてきた実体験から言うのだけど、重要なのはhow are you?…

アメリカ観察記断章。アメリカの学生のタイプいろいろ。

アメリカ観察記断章。英作文の授業を受け持って四年目になり、教師の勘とでも言うべきものがだいぶ発達してきたようだ。学生のタイプが最初の一週間でだいぶ読める。そこで思い至ったのが、彼女ら彼らの生活文化圏とタイプにはある種の相関関係があるのでは…

風邪は幸福な感情と結びついている

風邪はどこか幸福な感情と結びついているような気がする。子供のころの記憶。具合が悪いときに親が食べさせてくれたもの。柔らかく煮たうどん。冷たい果物の缶詰。アイスクリーム。気だるさに包まれてベッドに横になり、うとうとしていると、そんなことがふ…

アメリカとの心理的距離

アメリカとの心理的距離はずいぶん縮まってきたようだ。まるで電車で二時間もかからない磐田の実家にひょい帰るようなつもりで、成田行きの電車に飛び乗った。そして「ああ、実家に帰るのちょっとかったるいな」とたまに感じるのとまったく同じようなノリで…

自己に専心することは……(フーコー『自己の配慮』)

"S'occuper de soi n'est pas une sinécure. Il y a les soins du corps, les régimes de santé, les exercices physiques sans excès, la satisfaction aussi mesurée que possible des besoins. Il y a les méditations, les lectures, les notes qu'on pr…

「おお、我が兄弟たちよ」(ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』)

O my brothers, your nobility should not look backward but ahead! Exiles shall you be from all father- and forefather-lands! Your children's land shall you love: this love shall be your new nobility--the undiscovered land in the most distan…

Frei zum Tode und frei im Tode...... (Nietzsche. Also sprach Zarathustra.)

"Frei zum Tode und frei im Tode, ein heiliger Nein-sager, wenn es nicht Zeit mehr ist zum Ja: also versteht er sich auf Tod und Leben." (Nietzsche. "Vom freien Tode" in Also sprach Zarathustra.)