今日も今日とて酒を飲む。そんなことを何年も続けているとたとえどれほど酔っ払おうと自分の酔い具合を奇妙なほど客観的に捉えられるようになる。ただただこうしてひとりしずかにひたすら酒を飲む、それはもしかすると自分の体（と心）の実験なのかもしれない。酔うことで初めて見えてくる何か。酔うことでしか、見えてこない、何か。もちろん酒が好きで飲んでいる。そこに偽りはない。しかしおそらく、酒を飲むことは非常に倒錯した意味での自己省察の形態のひとつであり、クリティークの可能態の模索ではなかろうか。そんな意味不明なことをアルコールで動きの鈍ってきた頭が考えていた。
