2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
外国語学習アプリDuolingoでロシア語の学習を初めて100日が過ぎた。最低でも1日15-30分はやるようにしているけれど、初級文法のカバー具合という意味ではまだ全然。というよりも、Duolingoは文法を体系的に教えるのではなく、ひたすら用例をとおして学んでい…
翻訳語考。英語では何かを列挙するとき、最後の項目のまえに and や or を置くのが慣習化している。A, B, and C のように。むかし、たしかマーク・ピーターセンの『日本人の英語』で、and を入れないと、「それ以外にもまだ候補はある(もうここまでにするけ…
翻訳語考。「人」なのか「族」なのか。リーダーズ/リーダーズプラスを引くと、Aryan は「アーリア人」だが、Semite は「セム族」になる。20世紀前半のイギリスにおける人類学の重要な業績のひとつであるエドワード・エヴァン・エヴァンズ=プリチャードの T…
スマートでスタイリッシュになってしまったグローバルな現代のオーケストラから、こんなにも濃厚な音を引き出せる指揮者がいまだに存在しているとは思わなかった。弦楽器の音が生々しい。倍音よりも実音が鳴り響いているかのよう。蒸留された上澄みだけでは…
読んだのは数か月前。何か書き留めようと思っているうちに時間が過ぎてしまい、いまさら感があるが、いちおう書き付けておこう。 謙虚さと傲慢さがないまぜになっているように感じる。 一方には、間違うことを恐れずに、手持ちの知見をよりどころにして、積…
「地球上には海面水位を65m、つまり20階建てのビルの高さほども上昇させられるだけの氷がある。」(シュテファン・ラームストーフ「温まる海洋と上昇する海」83頁) 名だたる学者やジャーナリストが寄稿した本書は気候変動をめぐる科学的、歴史的、経済的、…
近隣の図書館で借りてきたジョン・ボウカー『世界の宗教大図鑑』は、カラー図版がふんだんに入っており、読むというよりも、眺めるほうが向いているだろう。350頁はそこまで厚くはないが、ハードカバーで、ページにかなりしっかりした紙を用いているため、ず…
翻訳語考。Union を「連帯」と訳すのは踏み込みすぎだろうか。Labor union や trade union のような組み合わせなら「組合」とするのが妥当だけれど、a union of all men のような<集合>としての union はそれだとあまりにも色が付きすぎる感じもするし、そ…
20230322@静岡県立美術館 「近代の誘惑——日本画の実践」は「日本画」というジャンルや概念それ自体を問う、なかなか挑戦的な展覧会だった。日本画は西洋との遭遇のなかで、参照項でもあれば、対峙すべき対象でもある洋画との関係のなかで、自己定義を重ねて…