うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカ観察記断章。肉体的接触と親密度。

アメリカ観察記断章。アメリカにおいて肉体的接触と親密度は比例するようだ。これは男女の区別を越えて普遍的だ。だから男同士がきわめて自然に握手し抱擁しているのをあちこちで目にする。そしてここで年齢は関係ないらしい。熟年老年夫婦が、相手の肩や腰…

アメリカ観察記断章。映画のなかの仕草がよくわかるような気がした。

アメリカ観察記断章。映画を見ることはまれだ。おそらく10代から20代にかけての多感な時期に言語=物語表象にのめりこみすぎたせいだろう。あの期間、いま思い直しても驚くほどに本を読み本を読んでいた。本は常に傍らにあった。井の頭線の通学中に父親から…

アメリカ観察記断章。学内バイト。

アメリカ観察記断章。大学構内にはスタバがあり、カフェテリアにはサブウェイやウェンディーズが入っている。しかしそこで働いているのは誰なのか。こうした視点からアメリカの大学を眺めていくと、かなりのところまで、学生たちが働いていることに気づく。…

アメリカ観察記断章。アメリカの紙幣の白人性。

アメリカ観察記断章。アメリカの紙幣に登場するのは白人の男だけだ。これは言い換えると、現大統領まで、アメリカはずっと白人の男が大統領だったということである。オバマ大統領がなぜ革新的だったのか、なぜヒラリー・クリントンが革新的になるのかは、ド…

アメリカ観察記断章。固有名詞の英語読み。

アメリカ観察記断章。アメリカで固有名詞は英語読みされる。単純明快で良いと思うこともあるけれど、日本語が原音尊重だから、カタカナ語でしか知らない音をどう発声したものかと戸惑うことがよくある。名前についていえば、二音節の名前は基本的に問題ない…

「未だ来たらざる」(『歴史について 小林秀雄対談集』)

「小林 未来という言葉は「未だ来たらず」という意味ですね。だけど、いまの未来学というものには、そういう意味なんか全然ないでしょう/江藤 「未だ来たらず」じゃなくて、「未だ来たらざる」はずのものを、もうすでに、持っているという気持になりたいわ…

アメリカ観察記断章。アメリカの祝日。

アメリカ観察記断章。10月12日は「コロンブスの日」で役所関連は祝日になるが、うちの大学は通常どおりである。アメリカの祝日をざっと眺めると、日本の休日とは別の原理が貫かれていることに気づく。 ひとつは、日付固定のもの(新年日1/1、独立記念日7/4、…

カント的道徳の非カント的擁護の矛盾(クロポトキン「現代の倫理的必要性」)

"Kant has certainly failed to prove why it should be a duty to follow his injunction. And, strange to say, the only reason why his "imperative" might recommend itself to general acceptance is still its eudaemonistic character, its social u…

アメリカ観察記断章。語の音の好き嫌い。

アメリカ観察記断章。南カリフォルニアにいると期せずしてさまざまな言語を耳にする。そしてなぜかある言語を聞くと微妙に苛ついてしまうことに気づく。たとえば韓国語やパキスタンアフガニスタンあたりの言語だ。なぜそうなのかと長らく自分でも疑問だった…