うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。学内バイト。

アメリカ観察記断章。大学構内にはスタバがあり、カフェテリアにはサブウェイやウェンディーズが入っている。しかしそこで働いているのは誰なのか。こうした視点からアメリカの大学を眺めていくと、かなりのところまで、学生たちが働いていることに気づく。スタバの店員は同じ大学の学生アルバイトなのだ。これは外部資本の商業施設に限ったことではなく、図書館のようなところでもいわば身内のバイトが働いているようだ。以前教えた学生が貸出カウンターに座っているのを見かけたことがある。もちろん専任の司書はいるけれど、単純業務の大半は学生バイトによって担われているようだ。とはいえ、大学のあらゆる運営に学生バイトが進出しているわけではない。ここには隠然たる線引きが存在している。たとえば清掃スタッフだとか警備スタッフは完全に外注されている。単純な窓口業務を除けば、教務課は不可侵の領域であるらしい。ともあれ、全体的に言って、アメリカの大学は、日本より自給自足的な共同体だと思う。

スタバで列で待っているあいだにまわりを見渡すと、アルバイト募集の掲示があった。それを見てふたつ驚いた。ひとつは、バイト申し込みをするとき、WebReg(履修登録)のデータを一緒に提出することだ。もちろんこれはシフトが授業とかぶらないようにするための措置だろうけれど、WebRegとバイトがリンクし、なおかつ、それがネット申し込みのプロセスで連動するというのが衝撃的だった。もうひとつは勤務体系について。果たしてFinals Weekについて但し書きがあった。それによれば、テスト期間中は深夜シフトに二回入らなければならない。しかし勤務時間は週15時間を越えないともなっている。学業を優先させるための処置が大前提にあるのは確かなようだ。