うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカ観察記断章。正しくない英語。

アメリカ観察記断章。偏見かもしれないが、日本の英語教育の根底にあるのは大嘘ではないかと思う。「英語圏の人々は正しい英語を話している」という措定だ。カリフォルニアで英作文を教えて6年目になる身からすると、これはまったく的を射ていないと言わざる…

a handwritten letter from my father

A handwritten letter from my dad, as a follow-up of the Skype conversation on the New Year's Day.

アメリカ観察記断章。非情動労働的なアメリカの接客小売。

アメリカ観察記断章。アメリカの接客業や小売業を見ていると、日本のそれはむしろ情動労働affective laborに近いのではという気がしてくる。たとえばアメリカのスーパーのレジ打ちはかなり適当だ。妙にフレンドリーに絡んでくる人もいるが、おざなりな挨拶(…

怪物的な複数性、だがそれでいてカオスの反対(ニーチェ『この人を見よ』)

"...a monstrous multiplicity that is yet the opposite of chaos [eine ungeheure Vielheit, die trotzdem das Gegenstück des Chaos ist]......" (Nietzsche. Ecce Homo.) 「……怪物的な複数性、だがそれでいてカオスの反対であるもの」(ニーチェ『この人…

アメリカ観察記断章。カリフォルニア英語のストライクゾーン。

アメリカ観察記断章。カリフォルニアではさまざまな英語の発音が共存している。たとえ二世三世であれ、微妙に独特なアクセントが残っているのだ。この意味で、言語は、民族=出自のマーカーである。名前がそうであるように。これは日本的な視点から述べるな…

a very strange polyglot life

This is certainly a very strange life: I write in Japanese and English, read English and French texts, and speak English to American students on Tuesdays and Thursdays. I switch from one language to another seamlessly, and I often wonder i…

アメリカ観察記断章。アメリカの学生は日本の学生より勤勉か。

アメリカ観察記断章。アメリカの学生は日本の学生より勤勉か。自分が直に知っているアメリカの学生はかなり偏っているので、なんとも言い難い。英作文は理系の必修科目で(より正確には、人文学専攻でない学生なので、社会学専攻の学生などもここに含まれる…

義務または現実を越える力(ジャン=マリー・ギュイヨー『義務も制裁もなき道徳』)

"Nous ne désignons par devoir que le pouvoir dépassant la réalité, devenant par rapport à elle un idéal, devenant ce qu’il doit être, parce qu’il est ce qui peut être, parce qu’il est le germe de l’avenir débordant déjà le présent. Point d…

アメリカ観察記断章。フランス知識人の仏語なまりの英語。

アメリカ観察記断章。ジャック・ランシエールのレクチャーがあったので行ってきた。たぶん200人は入るはずの部屋が満杯で、立ち見さえ出ていたほど。実際、少し遅れて到着した自分は必然的に立ち見になった。うちの大学はさまざまなレクチャーシリーズが…

アメリカ観察記断章。本場の各国料理。

アメリカ観察記断章。アメリカでは日本でいう「エスニック料理」が総じて「本場の味」であると言えるのではないだろうか。もちろん大規模にフランチャイズ化されたメキシコ料理や中華料理はすでに「アメリカ料理」である。しかしローカルに根ざした小規模レ…

シルヴェールは、夜、あばら家の奥で、ルソーの本を何度も読み返した……(ゾラ『ルーゴン家の誕生』)

"Silvère, la nuit, au fond de son taudis, lisait et relisait un volume de Rousseau, qu’il avait découvert chez le fripier voisin, au milieu de vieilles serrures. Cette lecture le tenait éveillé jusqu’au matin. Dans le rêve cher aux malheur…

Vista del Campo

今年もどうぞよろしくお願いします。昨年に引き続き、初日の出を見るそれだけのために朝起きるほどのガッツがなかったので、初日の入りの写真。そして昨年はビーチに行くほどの気概があったけれども、今年はそのエネルギーすら絞り出すことができなかったの…

わたしたちほどひねくれた……(ベケット『勝負の終わり』)

"[sadly] No one that ever lived ever thought so crooked as we." (Beckett. Endgame.) 「[残念ながら]わたしたちほどひねくれた考え方をした者はいまだかつていなかった」(ベケット『勝負の終わり』)