2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧
自由は与えられるものではない。自由は、新たな隷属への同意んとって好都合な麻薬的安楽のうちに消失しないようにするために、努力を要する見習い期間とある種の監視を必要とする(105頁) 妻は夫を助け、知らせ、尋ねる権利しかもたない。(プルードン『娼…
アイスランドの作曲家にして指揮者のダニエル・ビャルナソン(Daníel Bjarnason)——というカタカナ表記で正しいのかわからないけれど、Naxos ではそうなっているし、同名の父称を持つサッカー選手がそのように表記されているので、それに従っておく——による …
マーラーを室内楽的編成のためにアレンジしようというのは、きわめて反マーラー的であると同時に、マーラーの精神にかなう試みでもあるようにも思う。なるほど、たしかに、シェーンベルクたちの私的演奏協会のためにエルヴィン・シュタインが編曲した4番(19…
翻訳語考。集団生活においてほとんど自然発生的に立ち上がってくるような関係を、単純に権力的なものに転化させないためには、かなり繊細な用語選択が必要であるように思うのだけれど、そうなっていないことが多い。というよりも、西欧語と(近代)日本語の…
いまひとつどういうイベントなのかよくわからないけれど、ウィーン国立歌劇場の子ども版モーツァルト『魔笛』は、音楽的にも教育的にも、非常によくできている。舞台も座席として使い、観客のあいだを行ったり来たりするかたちで劇場を使用するこの『魔笛』…
コンスタンティノス・カリディス作り出す生き生きとした荒々しさはまさに衝撃的としか言いようがない。1974年ギリシャ生まれ。ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場が主催するカルロス・クライバー賞の初年度2011年の受賞者。37歳のときだ。指揮者としては遅咲…
20241213 無言館と、かつてありし信濃デッサン館―窪島誠一郎の眼@静岡県立美術館 本展覧会は、窪島誠一郎が1979年に長野に作った信濃デッサン館——夭折した20世紀の画家たちの作品を集めた美術館——と、1997年に開館した無言館——出征し命を落とした画家たちの…
通りを歩いていて、窓から中をのぞいて、そのむこうに見えた部屋に入りたい、そこに住みたいと思うのはめったにない、というのも、他人の家具や照明のインテリアにわたしの心はひどくざわめくから、でも一度、目に入ったものが本当に気に入ったことがあった…
「日本被団協」の2024年ノーベル平和賞受賞演説の英語版は、日本語とは微妙にニュアンスが異なるように聞こえる。 www.nobelprize.org 1.提示の順番。 一つは、日本政府の「戦争の被害は国民が受忍しなければならない」との主張に抗い、原爆被害は戦争を開…