うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

教えて欲しかった英語。英語の呼吸。

教えて欲しかった英語。それは複雑な構文でもなければ格好いい表現でもない。何の変哲もない日常の言葉だ。たとえば挨拶の呼吸。あえて呼吸と書こう。というのも、英語のなかで四年間なんとか生きのびてきた実体験から言うのだけど、重要なのはhow are you?という単体のフレーズではなく、how are you?によって口火を切られる一連のやりとりではないかと思われるからだ。もちろんhow are you?--Fine, thank you. How are you?--Goodというスキットは中学1年の英語教科書の冒頭にあるから、ほぼすべての日本人が一度は諳んじたのではないか。しかし、これを何の違和感もなく、滑らかに、あらゆるシチュエーションでさらりと口にできる人がはたしてどれだけいるだろうか。そして、いったいどれだけの人がこの何ということのないやりとりを自由自在に操りニュアンスを加えさまざまなヴァリエーションで言いかえられるだろうか。どうでもいいことを英語で言う、それがいちばん難しい。