うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。個人主義と家族主義の相補性。

アメリカ観察記断章。アメリカが個人主義的であるというのはおそらく間違いではない。しかしここには家族主義という強力な補完項が存在しているし、もしかするとこの後者こそがアメリカ社会の基層にあるのではないかとすら思う。たとえば大統領選。オバマ本人とファーストレディだけではなく、二人の娘もまた焦点となる。個人主義社会における家族の意味。それから感謝祭休日。家族とともに過ごす(過ごすべき? 過ごさなければならない?)イベント。アメリカには家族のためのイベントが多いように思う。今の日本の社会のほうがよほど個人主義的孤独主義的孤立主義的ではないのか、と思えてくる。モナド化した日本社会。ここから湧いてくるいくつかの疑問。その一。なぜアメリカ社会はその多様性にもかかわらず家族的価値観を依然として保持しているのか。その二。なぜ日本社会は、おそらく資本主義的価値観の浸透という点からすればアメリカとさほど大差はなかろうに、家族的なものが解体に向かっているのか。