うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。考え方の癖。

アメリカ観察記断章。学生レポートを採点していて常々思うのは、考え方の癖とでもいうようなものがアメリカと日本でまったく異なっていることだ。アメリカ人は「善か悪か」で考える傾向にあるようにみえる。「自分が善、それ以外は悪」という断定的なスタンスだ。これに比べると、日本人は「良し悪し」、「自分はこれが良いと思うけど、それ以外の考え方も悪くないよね」という良く言えば寛容な相対主義的な、悪く言えば自分の立場の正統性をあえてぼやかす曖昧な折衷主義だ。自分は絶対に正しいという思いこみは文化や国を問わず若い思想の特徴かもしれないけれども、アメリカの場合、そこに何か異様なほどの強い意志がこもっていることが時々ある。根拠のない個人的な勘だが、アメリカと日本で「自国はいい国かだと思うか」と尋ねたら、まったく違う結果になるだろう。アメリカの若者たちはほとんど盲目的なまでにアメリカの「デモクラシー」なるものを絶対的な善であると信じているように思えてならない。