うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。ワーク・イン・プログレスの感覚。

アメリカ観察記断章。ワーク・イン・プログレスの感覚。自分が病的なまでに完璧さという妄執に憑かれながらも自分の能力ではその完璧さを実現できないと理性的に解りすぎているがゆえに敗北主義的隠匿者であることは否定できないが、それを差し引いても、アメリカは中途半端な代物を提示することを恐れない社会であるように思う。少なくともインテレクチュアルな領域において。未完のものを人目にさらし意見をつのること。質問を歓迎すること。批判を歓ぶこと。傷つくことを恐れないこと。瑣末なところで揚げ足を取るよりコアの部分のポテンシャルを生かすこと。論破するのではなく、可能性のあるモチーフをともに育てたいと願うこと、そして実際に育てていくこと。対話すること、話しあうことの意義と有用性、アメリカ社会はこのあたりを理性的には理解できなくとも感覚的に分かっているように思う。逆に現代日本社会はこれを理性的には理解しながら感覚的レベルで拒んでいるのではなかろうかという気がしてくる。馬鹿正直な楽観主義としたり顔の悲観主義