うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2019-03-29から1日間の記事一覧

正史の余白に書きこむ:古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』(新潮社、2011)

すばらしく力のある書き手の本だ。ポストモダン的と言っていいのだろう。フィクションとノンフィクションのはざまにあるテクストだ。ジャンルが流動的で、自己言及的で、仮想のキャラと現実の書き手が交錯し、現実の出来事(311)と過去の歴史(についての思…

ポピュリズムを政治的に表象するために:シャンタル・ムフ、山本圭・塩田潤訳『左派ポピュリズムのために』(明石書店、2019)

陳腐なことを言っているように聞こえる。 私が強調しておきたいのは、民主主義を再生するためのヘゲモニー闘争は、国民国家のレベルで開始する必要があるということだ。多くの権限を失ってしまったものの、にもかかわらず国民国家はいまだ、民主主義と人民主…

スティーヴ・バノン、イスラエルのハアレツ紙のインタビュー記事「なぜ反ユダヤ主義ではないのか」

https://www.haaretz.com/world-news/.premium.MAGAZINE-steve-bannon-tells-haaretz-why-he-can-t-be-anti-semitic-1.6316437 「民主党がアインデンティティ・ポリティクスについて語れば語るほど、こちらに有利になる。民主党には人種差別について毎日のよ…