うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

緊張しきった美しさ(谷崎潤一郎『文章読本』)

「内輪とか控え目とか、謙遜とか云いますと、何か卑屈な、退廃的な、弱々しい態度のように取られますけれども、西洋人は知らず、われわれの場合は、内輪な性格に真の勇気や、才能や、智慧や、胆力が宿るのである。つまりわれわれは、内に溢れるものがあればあるほど、却ってそれを引き締めるようにする。控え目と云うのは、内部が充実し、緊張しきった美しさなので、強い人ほどそう云う外貌を持つのである。」(谷崎潤一郎文章読本』)