うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

質量をもったオブジェ、非能率的な何物か(四方田犬彦『先生とわたし』)

「彼は書物を情報の集積物としてのみ遇することを軽蔑した。書物はまず質量をもったオブジェであり、整理カードや検索機に還元できない、非能率的な何物かでなければならなかった。ある主題の論文を執筆せんがために、体系的に書物のリストを制作し、それを秩序付けて読み進めるという研究の仕方を認めようとしなかったし、そもそも論文執筆のための労働としての読書という考えを拒否していた。」(四方田犬彦『先生とわたし』232頁)