うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2022-02-06から1日間の記事一覧

信じることを信じない:J・M・クッツェー、鴻巣友希子訳『エリザベス・コステロ』(早川書房、2005)

現代小説は長くなる一方ではないか。もちろん短編や中編は依然として書かれているが、長編となると、やたらと長大になりがちである。だから、J・M・クッツェーは例外的存在と言っていいかもしれない。クッツェーの小説はつねにコンパクトで、長すぎるという…