うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

ティモシー・スナイダーへのインタビュー:Voxの Today Explained、「ウクライナの本当の歴史、想像の歴史 The real and imagined history of Ukraine」

20220225のVoxのポッドキャスト Today Explained。「ウクライナの本当の歴史、想像の歴史 The real and imagined history of Ukraine」

 

ティモシー・スナイダー Timothy Synderへのインタビュー

基本テーゼ:ウクライナは国家 stateであり、国 countryであり、民 peopleである。

 

プーチンの主張、またはプーチンの前提=世界観(framing)
ウクライナは国ではない
ウクライナはロシアが作った

ソビエト連邦が出来たときにウクライナ共和国が出来た
 =カナダはイギリスが作ったものであり、国ではないと言うぐらい馬鹿々々しい主張

 

スナイダーの3つのポイント
1)ロシアはソビエト連邦とは別物
ソビエト連邦はそもそも「非ロシア的 non-Russian」で「国際的なプロジェクト」だった

2)ソビエトはさまざまな民 national unitsからなる連邦 federation
=「ウクライナソビエト連邦をつくった Ukrain created the Soviet Union」というほうが的を射ている
ウクライナ問題(ウクライナのために死を賭して戦う非人々がいた)が、ソビエトを建国した共産主義者たちに、問題に気づかせた

3)ウクライナの歴史は1918年よりまえにさかのぼる
ソビエト連邦が作られたときにウクライナはすでに存在していた


ソビエト連邦のなかでウクライナは文化や言語において独立していたか?
1920年代:ウクライナのエリートを積極的に登用
1928年以降(スターリン以降):経済的な統合の試み
               →集産主義の挫折、基金の勃発
               →ウクライナに責任をかぶせる
               →20年代に登用されたウクライナのエリートの粛清
               →ウクライナの伝統的文化の抹消

 

1928‐33年のあいだに起こったこと
農耕民と狩猟民からなるソビエト連邦を工業労働者の国に変えること
=小規模農業(ウクライナで一般的な形態)を国家管理に置く
=それによって可能になった資本を工業化に投入する
=都市、工場、鉱山への投資
→不成功
→1932年の不作、飢饉
スターリンの責任転嫁=ウクライナ共産党が悪い
ウクライナから穀物を徴収
→約390万のウクライナ人が死亡


第二次大戦中のこと
ロシア以上にウクライナの人々が苦しんだ
=戦場となったのはウクライナが多かった
→ドイツに抗っているあいだは讃えられ、ドイツに占領されたあとは裏切り者扱い

 

スターリンの死後(1953年以後)
多少の緩和が見られた

 

ブレジネフ時代(50年代半ばから60年代半ば)
ウクライナのロシア化

 

70年代
プーチン世代にとっての現実=デフォルト
ウクライナはロシア=ロシア語がデフォルト

 

チェルノブイリ(1986年)以後
ソビエトの不干渉=ウクライナの自律のはじまり

 

ソビエト連邦の終わり(1991年)
独立の仕事