うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

20250510 千葉県立現代産業博物館、市川市中央図書館、市川市文学ミュージアムを観る

すこし遠くのショッピングモールのニトリに来たので、そのまま帰るのも癪だと思ってGoogleマップを見ると、現代産業博物館なるものがすぐそばにあったので行ってみた。

www.chiba-muse.or.jp

「現代産業博物館」と大層な名前がついているが、実体は子ども向けの科学館といったほうが正確かもしれない。すくなくとも1階は、さまざまな科学のトピックを小学生ぐらいでもとっつきやすいように説明したパネルや、科学の仕組みを遊びながら学べる模型があり、実際に実験ができるコーナーがあり、ミニ講義が行われていた。特別展のようなものは開かれていないにもかかわらず、子連れの家族でにぎわっていたのは、入館料が大人でも300円と格安だからという理由もあるのかもしれない。

2階は鉄鋼と石油と電力についての展示で、多くの模型や実寸大(だと思う)フォード車(のレプリカ?)もあり、西欧近代における発明と技術革新の歴史を、科学的な仕組みとあわせて詳しく学べるようになっており、わりと勉強になった。フランス革命の頃にイギリスではすでに鉄橋があったこと――当時の鉄のクオリティが低かったため、30メートルほどのものだったというが——は知らなかったし、20世紀初頭のアメリカにおける自動車数の爆発的な増加——10年で10倍——には驚かされた。

1階も2階も子ども向けに作られてはいるもの、2階のほうが対象年齢層は高いのだと思う。すくなくとも、1階はレクリエーション的要素がふんだんにあるのに、2階は学習オンリーの構成で、わりと閑散としている。解説用のビラがたくさんあったが、「団体でお越しの場合は団体で一部としてください」のような但し書きがあったけれど、社会科見学の定番コースなのだろうか。

それにしても、なぜ鉄鋼と石油と電力なのかと思いきや、それらの工場こそが、東京湾の千葉側の埋め立て地に林立しているものだからだった。埋め立て地が別色で示された地図をざっと見た感じ、浦安から木更津のほうまで、東京湾の沿岸沿いの半分以上に埋め立て地があるようだ。とにかく、2階まで見れば、ここが、「千葉県立」の、「現代産業」についての/につながる「博物館」であることにも納得する。

(ところで、入口の博物館設立の言葉は英語のindustryを「産業(工業)」となんとも不器用に翻訳していたけれど(英語には両方の意味がある)、ここでは産業=工業であり、つまり、農業や漁業などはまったく触れられておらず、その意味では現代工業博物館としたほうが正確ではある。)

 

博物館の隣には、趣のある建物があり、何かと思えば図書館だった。2階には市川ゆかりの文学者たちの小さな展示(「ミュージアム」と銘打たれているが、これはちょっと過大広告ではないかと思う)があり、永井荷風を始めとして、市川にゆかりのある文学者たちの年表、書物、彼ら彼女らが住んでいたころの本八幡駅周辺のジオラマがあった。3階には資料室もあり、詩人の宗左近の著作一覧、蔵書一覧などがファイルで閲覧できるようになっていた。ただ、図書館は利用者が多いのに、2階3階は係員をのぞいで無人状態。

zenbunkyo.com

 

それにしても、駅前が開けていない。ロータリーはあるし、ビルもあれば商店もある。しかし、商店街はない。飲み屋や飲食店ばかり。大通りというものがなく、小道ばかり。