2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
きみはレオテーが彼女自身の個人的なことが理由で泣くのは見たことがなかった、レオテーが泣くのはいつもこんなふうに、世の中で虐げられている弱い立場の人々のことを思うときだった、それを目の当たりにする時、いつもどうしたらよいか分からなくなった。…
せっかくみなとみらいまで来たのだからと、すこし周りをぶらついてみる。みなとみらいに来たのは初めてではないけれど、駅直結で複数のオフィスビル、ホテル、ショッピングモール、コンサートホールががシームレスにつながっていることをここまで意識したの…
ケント・ナガノは何かとても不思議な境地に至っているのだろうという気がした。無私の自然体とでも言おうか。指揮者のエゴが消え去り、音楽だけが純粋に響く。しかし、本当に譜面どおりで、余計な強調など一切ない音楽からは、今まで体験したことのない音が…
先日、ヒルマ・アフ・クリント展を見にいった東京国立近代美術館の常設展だったか企画展だったか忘れたけれど、そこで難波田龍起の絵を初めてみて、その澄み切った抽象性に感銘を受けていたので、この展覧会のビラを近所の図書館で見かけてから、ずっと行こ…
20250920 「ジョナサン・ノット&東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ 第147回」 ハイドン、リゲティ、モーツァルト。「古典はモダンだ」がチラシの煽り文句。個人的にはリゲティの歌劇「ル・グラン・マカーブル」から抜粋された超絶技巧曲の「マカーブル…
翻訳語考。Work は「労働」か。Worker は「労働者」か。 バルバラ・カッサンは『ひとつ以上の言語』のなかで、外国語を学ぶ利点のひとつは、母語における単語の連環がけっして普遍的なものではないと気づけることだと述べているけれど、「労働」もそのような…
翻訳語考。英語の、ひいては西洋語の3人称は、きわめて平等主義的なところがある。王もボスも父も、友も敵も、子も、現実における上下関係に頓着せず、he/his/him で名指せてしまう。もちろん、王の場合、His Majesty のような敬称的三人称はあるものの、代…
20250913 「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで」@国立西洋美術館 上野の美術館は学生のころよく行っていたし、国立西洋美術館の常設展(松方コレクション)は高階秀爾や若桑みどりなどの西洋美術の概説書で学んだこと…
翻訳語考。作家の書き癖はあるし、それが独特のものであることもめずらしくない。文法的に逸脱気味だったり、一般的に守るべきだとみなされている決まり事を平気で侵犯したり。 たとえばルグィンは、接続詞なしに2つのセンテンスをつなぐ書き方を多用するけ…
翻訳語考。情報を後付けしていくばかりか、挿入句で奥行きをつける英語のセンテンス構造は、日本語の文章構造とそもそも相性がよくない。だから、原文の意味を取るという点では何の問題もないセンテンスが、翻訳するとなると難物として立ち現れてくる。たと…
大学のときのオーケストラサークルの知り合いが何人も入っているアマオケの公演チケットをもらったので、行ってきた。2階席の前の方のど真ん中。商業公演ならS席だろう。不思議なまでにステージが近く見える。まるで1階席に座っているかのように。 プログラ…
翻訳語考。英語の語順で読むとスッと入ってくるけれど、日本語にすると情報が拡散してしまい、情景が浮かびにくくなることがよくある。たとえば次のようなセンテンス。 He had your boots put where he could see them from his bed until he died. なぜ日本…
翻訳語考。シンプルなワードで書かれたシンプルなセンテンスほど、実は意味がとりづらいし、日本語にするのも難しい。シンプルに書けるのは、その背後には厚いコンテクストがあるから、そこにはさまざまな残響があるからで、それをネイティヴは聞き取り、当…