うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。アメリカのスーパーで売っているソーセージ。

アメリカ観察記断章。アメリカのスーパーで売っているソーセージはいまだにどうやって料理すればおいしく食べられるのかよくわからない。端的に言うと、調理が面倒なのだ。皮が薄いのでボイルするといまいちだし下手をすると破裂してしまう。中は完全に生だからソテーは時間がかかるし、中心まで完全に火を通すのが意外に難しい。オーブンで焼くのが最も簡単だが、さらに時間がかかってしまうし、ソーセージごときにそこまで手間をかけさせられるのは、日本のお手軽なウィンナーで育ってきた身からすると少し納得しがたいものがある。

アメリカで売っているソーセージは大別すると二種類ある。ひとつはホットドッグにおあつらえむけの、日本でいうところのフランクフルトに近いようなもの、もうひとつはここで言及している生肉の腸詰め(燻製されていないもの)である。後者は依然としてヨーロッパ的な風合いを残しており、ドイツ風やイタリア風であることが商品名にも味付けにも見て取れる。全体的に日本のものよりずっとスパイシーで、独特のクセがあり、正直そこまで好きな味ではないし、子どもが好む味ではないように思う。系統としてはサラミのような嗜好品に近い。

ソーセージが日本とアメリカで似て非なるものであるように、ハムも日米でかなり違う。日本のハムが一方にサンドイッチにぴったりの薄切りのパック販売があり、他方に(かつては?依然として?)お中元の定番である塊としてのハムがある。しかしアメリカでそういう塊のハムを見かけることはあまりない気がする。ないわけではないが、売り場面積的には薄切りが大多数で、この薄切りにしても日本のものよりずっとずっと薄い。それから、日本のハムが往々にして大企業のパッケージ商品であるとすると、アメリカのそれはローカルなブランドだったり店舗でパッケージングされたものだったりする。