うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

ダメージの存在しない世界を想像しなければならない(ソルニット『私のいない部屋』)

「この世界の半分には、女たちの恐怖と痛みが敷き詰められている。あるいはむしろ、それを否定する言葉で糊塗されている。そして、その下に眠っている幾多の物語が陽の目を見る日がくるまで変わることはない。私たちは、そんな風にありきたりで、どこにでもあるダメージの存在しない世界を想像できなくなっている。ひょっとすると、そんなダメージがなければ世界はびっくりするほど明るくなるのではないか。今はほとんど経験できない、自信をもつことの喜びがずっとあたりまえになるのではないか。人類の半数から多くのことを遠ざけ、あるいは触れさせもしなかった重荷を取り去ってくれるのではないか。そう言いたいがために私はこんなことを書いている。」(ソルニット『私のいない部屋』81‐82頁)