うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。始まりとしての「卒業」。

アメリカ観察記断章。「卒業」についての意識はアメリカと日本で大きく違っているように思う。「卒業」はgraduationであるが、「卒業式」はcommencementだ。そしてcommencerは「始める」の意である。アメリカの「卒業式」は終わりというよりは何か新しいもの始まりなのだろう。面白いことに、この「卒業式」には「卒業見込み」の状態でも参加できる。今年度に終了する者だけでなく、夏学期や秋学期(つまり2016年内)に終了する者たちも対象となっているのだ。ところでアメリカでは学部生はundergradudate(またはundergrad)で、大学院生はgraduate(ないしはgrad)である。それゆえ字面について言えば、大学院生は学部生の上位範疇というよりも、大学院生こそが正カテゴリーで、学部生のほうは未熟で不十分である("under")という趣きすらある。