アメリカ観察記断章。日本で売っている「シーチキン」は「オイル漬け」が一般的だと思うがーーWikipediaによれば日本でも水煮は売っており、シーチキンは静岡に本拠を置く「はごろもフーズ」が商標登録しているとのこと。静岡県民なので子供のころから「ドラゴンボール」や「ちびまる子ちゃん」などのアニメ放映のCMで「はごろもフゥーズ」という音が無意識の層にまで刷りこまれていてシーチキンがまさか静岡発祥だとは今の今まで知らなかったーーこちらだと、どんなスーパーでも、オイル入りかどうか、塩入かどうかなどの選択肢があり、albercoreとかtongolとか 「ツナ」の種類がいちいち大きく書いてある(ここではじめて「シーチキン」という名称の異様さに気づく。海の鶏肉って何だ?)。エコに配慮している(?)メーカーのものは「dolphin」ではないと断り書きが入っている。日本のようにフレークになっていないのもおもしろいが、それよりもさらに興味深いのは、レーベルが紙であることだ。缶に直接プリントされているのではなく、紙が缶に巻いてある。これはトマト缶などでも同様。それから、アメリカの缶には基本的にプルトップがついていないので、缶切りが必要になる。アメリカの缶切りは日本のものとは大きく異なっている。日本で一般的なものが縦運動でざくざくと縁の内側を切りこんでいくものだとすると、アメリカのそれはピザをカットするような器具に似ており、それを縁に横から当ててキリキリと水平に切り裂いていく。