друг друга。ロシア語で「互いに(one another, each other)」を意味する成句は、字義どおり訳すと、「友は友を」。
Duolingoでロシア語学習を続けて160日が突破したものの、最近、停滞気味。ロシア語の格変化を文例だけから身につけるのはさすがに無理ではないかという気持ちはますます高まってきた。
同じことは名詞の性についても当てはまる。ロシア語はドイツ語と同じく男性、女性、中性の3つの性があり、おおむね語末の綴りで判別できるとのことだけれど、これについても、実例から自分で帰納法的に結論するのは難しいだろう。
そろそろ文法書を一読してみる段階かもしれない。
Duolingoの巧みなレッスンプランのおかげで、それなりに単語は頭に入ってきた。文法書に出てきそうな基本的単語なら、だいたい見覚えがあるぐらいには。
しかし、Duolingoは、数字にしても曜日にしても網羅的にはやらないので、記憶のあちこちに抜けがある。
すでに過去形、未来形、再帰動詞のレッスンはクリアしており、英語で言うところの助動詞を使った未来や過去の時制の使い方はなんとなく理解したものの、動詞それ自体の活用で時制を変えるさいの変化形についてはなんとなくしか飲み込めていない。
とはいえ、これまで自分が学習してきたフランス語とドイツ語がかなり助けになっている。ドイツ語をやったおかげで、名詞の格変化——主格、所有格、与格、対格――は新規のものではない(ロシア語はさらにもう2つ格があるのだけれど)。動詞の活用についてもそうだ。そして、動詞の活用は、ロマンス語派でも、ゲルマン語派でも、スラヴ語派でも、なんとなく似ているものらしい。完全に一致するというわけではないけれど、どの人称がどの方向にどのくらい変化するのかという塩梅は、案外、近い。
イントネーションは依然としてよくわからない。英語に比べるときわめてフラットに聞こえる。疑問文の作り方は、マニュアル的には理解はしたけれど、腑には落ちていない。
有声音の子音は、語末に置かれると無声音になるなど、発音にはいろいろと例外的ルールがあるけれど、英語音声を教えている身からすると、わりと納得できる。というよりも、西欧語の発音の基本原理は省エネなのだろうかという気がしてきた。発音は、つまるところ、安きに流れるのだろう。楽に言えるほうが良いのだ。
硬音と軟音の違いはわからなくはないし、区別して発音できているような気はするけれど、本当に正しく言えているのかはわからない。Duolingoにはスピーキングのエクササイズもあるけれど、音声認識の精度についてはわりと疑問がある。明らかに言い間違えてもOKになることがあるかと思えば、なかなか認識してもらえない子音がある。そして、そのような子音にしても、文例によって認識のされやすさが異なっているように感じる。
AIによる語学アプリだけで独学できる部分はたしかにある。しかし、これだけですべてが完結することはないように感じる。西欧語話者が別の西欧語を学ぶ場合は、もしかすると、これだけでもそこそこ身につくのかもしれないけれど、日本語と西欧語のように、言語的にかなりの隔たりある場合は、そうでもないような気がする。その意味では、Duolingoで日本語/英語を学習するのはどういう感じなのだろうかと思うところ。
(余談になるけれど、英語でロシア語を学んでいると、自分が普段使わない英語のレジスターが出てきて、ロシア語はわかるのに英語でどう言い換えるのが正解なのかわからないという不思議な事態にも遭遇するのであった。)