うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

所有権を擁護し、その濫用を糾弾する(ブレヒト『まる頭ととんがり頭』)

「イーベリン 私は地主の敵だというのだ、だがこんな間違った話はない。/ 私の判決は所有権に対して下したものではなく/ ただ所有権の濫用に対して下したものだ。」(ブレヒト『まる頭ととんがり頭』)

イーベリン=ヒトラー。資本=金の問題と、人種の問題、またはどちらのパラメーターが勝利を治めるか。人種主義を戦略的に利用しつつ、資本主義を温存すること、または、究極的には金が人種を圧倒するということ。それは1930年代以降の歴史と照らし合わせて見た場合、真実でないように聞こえるが、まったく的はずれな主張というわけでもない。人種は資本のための口実に使われる、口実が本質にすり替わることもありえるが、口実であったものはつねにあっさりと口実に逆戻りすることもありえる。根底にあるのは、人種的な差異ではなく、食えるか食えないかというような物理的な生き死にの問題であり、そのためになら、それ以外のパラメーターはいくらでも操作してかまわないかのようだ。