うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

微妙なニュアンスをわかってもらえるはずだという安心感(ルース・ベネディクト『菊と刀』)

「日本人特有の問題は、彼らは、一定の掟を守って行動しさえすれば、必ず他人が行動の微妙なニュアンスを認めてくれるに違いない、という安心感をたよりとして生活するように育てられてきたということである。外国人がこれらの礼節を一切無視しているのを見て、日本人は途方に暮れる。彼らは何とかして、西欧人が生活の基準にしている、日本人の場合と同様に綿密な礼節を見つけ出そうとする。そしてそんなものがないことがわかった時、ある日本人は腹が立ったと言い、ある日本人は愕然としたと言っている……たとえほんのわずかでも、一度アメリカに住んで、この国のそれほど固苦しく煩瑣でない行動の規則を受け容れた日本人には、かつて彼らが日本で送ったあの窮屈な生活を、再びくり返すなどということはとうてい考えられないことである。」(ルース・ベネディクト菊と刀』)