うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アカデミズムの非民主的思い込み(グレーバー&ウェングロウ『すべてのはじまり』)

「どのような種類のものであれ、民主的な制度や機関が遠い過去にあったことを主張するとなると、学者たちは、曖昧さのない反駁不可能な証拠を求める傾向にある。驚かされるのは、トップダウン型の権威構造となると、学者たちがそれほど厳密な証拠を求めたりなどしないことだ。通常、歴史の常態とみなされるのは、後者である。後者に当てはまらない証拠がなければ、その手の社会構造があったのだろうと短絡的に想定しがちである。(脚注97:当然ながら、これは部分的には、「西洋」と呼ばれるものが民主主義を「発明した」功績を奪われないようにしたいという欲望のためだろう。アカデミアが極端な序列関係にもとづく組織であり、大半の学者たちには民主的な決定プロセスにかかわった実経験が乏しい、ないしは、皆無であり、その結果、自分たち以外の人々がそのようなことができると想像しがたいことにも、このような説明がなされる理由の一端があるかもしれない。)」(グレーバー&ウェングロウ『すべてのはじまり』319頁)