うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

物語収集家が物語になる(泉鏡花『夜叉ヶ池』)

「僕は、それ諸国の物語を聞こうと思って、北国筋を歩行いたんだ。ところが、自身……僕、そのものが一条の物語になった訳だ。――魔法つかいは山を取って海に移す、人間を樹にもする、石にもする、石を取って木の葉にもする。木の葉を蛙にもするという、……君もここへ来たばかりで、物語の中の人になったろう……僕はもう一層、その上を、物語、そのものになったんだ。」(泉鏡花『夜叉ヶ池』)