うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

最も疎外されていない人びとと最も抑圧されている人びとの出会い(グレーバー『資本主義後の世界のために』)

「そこで私が思ったのは、革命的な連帯は「最も疎外されていない人びと」と「最も抑圧されている人びと」、つまり「オルタナティヴな社会像を容易に想像できる人びと」と「最も熱心にオルタナティヴな社会を見たい人びと」、これらの間で結成されるのではないかということでした。最初これはエリート主義的思考かもしれないと思ったのですが、歴史的にみると、革命が実際に生起する場合、必ずこの二つのグループ、あるいはカテゴリーが出会っているのです。先端的な産業労働者と呼ばれるグループはどうも革命を起こしそうになり。資本主義に対して反抗するのは、新たに小作農民となった貧農か職人なのです。つまりいまだに一定の自律的労働を知っているか、その記憶がある人びとです。彼らは非疎外的生産の経験を持ち、同時に最も抑圧されている人びとなのです。なぜアメリカにおいて、アフリカ系アメリカ人は一貫して最も革命的な勢力なのか? 一方で、彼らは最も抑圧されていると同時に、他方では他のグループが持っていない自律的生産を継承しうる伝統を持っているからです。それらの一致が協力に作用するのです。/このことは同時に、「土着的な人びと」の役割について考えさせます。」(グレーバー『資本主義後の世界のために』57‐58頁)