うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。アメリカの都市空間における「抜け道」の不在。

アメリカ観察記断章。サンフランシスコを歩いていて思ったこと。アメリカの都市空間にはいわゆる「抜け道」のようなものがないように思う。空間がブロック単位で閉じていて、建物の表層=表しか見えないようになっているのだ。実際、アメリカで、ビルの「裏側」に回り込むことは難しい。ビル群のあいだに開けた中庭を別にすれば、ビルは、ある方向からしかアプローチできない代物である。もちろん表が見えて裏が見えない(見えにくい)のは日本でも同様だけれど、ここには「路地」のようなものが存在しないのかもしれない。だから、ここでは、見た感じが怪しい通りは実際に怪しいようだ。視覚情報は信頼できるし、視覚的直感はおおむね正しいらしい。