うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

文学を志すことは一つの事件である(吉田健一『東西文学論』)

「真面目に文学を志すということ自体が(と言っても、原稿を書いて金にすることが文学になっている今日では、簡単には解らないかも知れないが)、一つの事件である以上、それだけの事件の原因となるものも一つの事件でなければならない。何か異質なものが体の中に入って来て、それを自分なりにどうにかしなければならなくてじたばたするというのでなければ、文学をやる気持などというものは考えられない。そして日本の現代文学というものの性格上、その異質のものは必ず外国の文学作品だということがここでは言いたいのである。」(吉田健一『東西文学論』)