うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

20240311 カナダ滞在記のはじまり2/3、成田空港のジャパニズム

成田空港に来るのは何年ぶりだろうかというぐらいだけれど、久々に来て、アジア系言語がそこかしこから聞こえてくることに気がつく(付言しておくと、アジア系言語がわかるからではなく、自分が知っている西欧系言語の響きではないことと、視覚的情報を補って、そのように結論しているだけである)。

アジア系と言っても、中国韓国ばかりか、東南アジアからの若者グループが多い感じがする。その一方で、西欧圏からはわりと壮年老年だったり、家族連れという感じがする。南米からの旅行客も多そうだ。そして、やはり、若者が多い気がする。

それにしても、空港西あふれる「日本的なもの」は何と言えばいいのだろう。『ブレードランナー』と『攻殻機動隊』の描く「日本」を臆面もなく採用したという感じだろうか(これを見ると、いま、アキバなどは一体どうなっているのかと思ってしまう)。一昔前なら、このような日本表象は海外に見られるものであり、いわば日本の保守派が眉をひそめるものであったと思うのだけれど、それがいまや国の玄関に堂々と掲げられているのだ。

しかし、空港は雑多な演出空間でもある。セキュリティチェックを抜けたすぐにはハイブランドがズラッと並んでおり、むしろデパート的。そこからすこし離れると、このようなキッチュな日本表象が出現するスペクタクルの空間。さらに遠ざかると、わりと無味乾燥な空港の無国籍性(それはショッピングモール的な空間である)が顔を出す。