うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

20240311 カナダ滞在記のはじまり1/3、カナダの紙幣

外貨が必要かとも思いつつ、まったく現地通貨を持たないのも不安なので、多少両替すると、20カナダドル札と5カナダドル札を出してくれた。英仏併記なのは予想通りだが、紙幣といえば紙という思い込みがあったので、ホログラムのような部分が紙幣の中にあることに妙に驚いてしまう。透明なフィルムが紙と融合しているけれど、ここだけ劣化することはないのだろうかとか、ここを折るとどうなるんだろうとか、湿気で紙とフィルムの伸縮率にズレが出ることはないんだろうかとか、どうでもいいことを考えてしまった。

20ドル札がエリザベス女王というところに、カナダとイギリスの一筋縄ではいかない関係を感じる一方で、5ドル札のほうは7代目の首相ウィルフリッド・ローリエとのこと。ウィキペディアのよれば、「初のフランス系カナダ人の首相として知られ、仏語圏と英語圏の調整によりカナダ連邦を拡張するなど、和解(妥協)政策でよく知られた。ローリエはまた、政治・経済面での自由を確保出来ることを前提に、イギリス帝国に残ることを認めた。45年に亘り庶民院議員を務めたこと、連邦首相在任15年間というのは、いまだ他の誰の追随も許していない。」

それにしても、5ドル札のほうは宇宙開発、20ドル札のほうは第一次大戦戦没者を慰霊する碑(フランス北部のヴィーミにある)というのは、なかなかに興味深い。やはり通貨には国家性=国民性が表出するようである。