うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

近代に西欧的知としての移入したオカルティズムのサブカル化(大野英士『オカルティズム』)

「日本ではすでに幕末期から、お雇い外国人経由、日本人留学生経由で催眠術や心霊術の知識が移入されていたが、一八八一年には東京帝国大学初代心理学教授外山正一(一八四八-一九〇〇)が日本で初めて「催眠術」を教えており、また、同じ一八八〇年代には下田に来航したアメリカ人船員がテーブル・ターニングを伝えている。その際、言語上の問題から、テーブルの叩音をABCに翻訳することが出来なかったので、簡単な質問に対し机が「頷く」だけの簡単なテーブル・ターニングを行ったことから「こっくりさん」という呼称が生まれたのだという。/いずれにせよ、心霊術・オカルティズムも西欧から伝来した先進的な「科学」の一形態として当時(214)の学者・知識人を中心に受容され、それが近代化への民衆の「不安」を表現するさまざまな在来宗教・新興宗教・民族的迷信と習合する過程で、現在に続くスピリチュアルなサブカルチャーも生み出されていったというのが事実らしい。」(大野英士『オカルティズム』214‐15頁)