うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

動物の他者性、異質性と結びつくこと(ル=グウィン『いまファンタジーにできること』)

「わたしたちは孤立すると気が狂う。わたしたちは社会性に富む霊長類だ。人間には属することが必要だ。お互いに属すること。もちろん、それが第一だ。けれども、わたしたちは遠くまで見ることができ、賢く考えを巡らすことができ、大いに想像することができるから、家族の一員、部族の一員、自分たちと同じような人々の中のひとりであるだけでは満足できない。人の心は怖がりで疑り深いが、それでもなお、もっと大きなものに属すること、もっと幅広いものとひとつになることを渇望する。荒野はわたしたちを恐れさせる。それは未知のもので、無頓着で危険だから。だが、それはわたしたちにとって絶対に必要なものである。動物の他者性、異質性——正気でいたい、生きつづけたいと願うなら、わたしたちはより古くて偉大なそれにこそ、結びつかなくてはならない。あるいは、再度、結びつかなくてはならない。」(ル=グウィン、谷垣暁美訳「子どもの本の動物たち」『いまファンタジーにできること』144頁)