うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

「真の恋は、心と心」(泉鏡花『天守物語』)

「真の恋は、心と心」(泉鏡花天守物語』)

 

言葉の響きが面白い。

ローマ字にするとはっきりするけれど、「お」の音が多い。

shi n no ko i ha ko ko ro to ko ko ro

というか、後半は「お」しかない。

前半も、「い」でサンドイッチされている部分は「お」。

母音だけで書けば「い(ん)おおいあ、おおおおおおおお」。

 

音の流れとしては、「しんの/こいは/こころと/こころ」で、おそらく実際の発話では、「しんの」のあとに一瞬の間が入るというか、イントネーションのために「こ」に若干のアクセントが入ると思うから、、流れとしても、「4/3/4/3」になり、ある種のシンメトリーが成立しているように感じる。

3 (4?) shi n no

3        ko i ha

4        ko ko ro to

3        ko ko ro

 

このあたりの巧みな言葉の扱いはさすが鏡花というところか。