うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

アメリカ観察記断章。英語読みされる固有名詞。

アメリカ観察記断章。英語は固有名詞を英語読みする。そしてそれは日本語についても同様だ。日本語のアクセントは弱めで、イントネーションはフラットになりがちだが、英語は弱強のはっきりした明瞭なイントネーションを好む。だから「おだ」は「お↑−だ」であり、「とおる」は「と↑ーる」へ変換される。2音節3音節ならまだそこまで違和感はないけれど。それより音節の多い言葉となると、日本語と英語のノリの違いゆえに、音節数が変化する。たとえば「ふくしまfu'/ku/shi/ma」(4音節)は「フクシーマfuk/si'-/ma/」(3音節)というふうに、短縮と長音が同時に起こる。と思っていたのだが、NHK Worldを聞いていたら、日本語固有名詞が日本語よりにフラットかつ多音節に音読されていた。アナウンサーの英語がナチュラルであるがゆえに、この日本語的な音の残滓がとても不自然に感じられた。とはいえ、これはどちらが正解なのだろうかとも思う。「寿司」はやはり自分にとって「す→し」であって「ス↑ーシ‐」ではないが、英語の文章の流れなら後者のほうが圧倒的に言いやすいのも事実だ。