うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

「古いものへのフェティシズム的な執着」(プルースト『スワン家のほうへ』)

「されど、一つの信仰が消えても生き残るものがある──しかも、私たちが新しい物事に現実性を与える力を失ったので、その力の欠如を覆い隠すためにますます強力になって。それはかつて信仰がかき立てていた古いものへのフェティシズム的な執着である。あたかも、神が宿るのは私たちのうちではなくて、そうした古い物事の中ででもあるかのように、また、現在の私たちの不信仰は神々の死という偶然の原因によっているかのごとく。」(プルースト高遠弘美 訳『スワン家のほうへ』)