うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

原則と例外と基準(ブレヒト『例外と原則』)

「裁判官 あなたは苦力があなたを憎んでいるに違いないと考えて当然だとおっしゃっているんですね。とすると、あなたは状況によってはなんら殺意をもたないといえる人間を殺されたけれども、それはただ彼が殺意をもたないことを知ることができなかったためだということになる。似たようなことは、わが国の警察などでもときおり見られます。警官が群衆、デモ行進者、まったく穏やかな人々に対して発砲することが起こるのは、ただこの人たちが警官を馬から引きずり下ろしたりリンチしたりすることはないだろうとは絶対に信じられないからなのです。警察官は本当は恐怖を抱くから発砲するのです。警官が恐怖を抱くのは彼らにアタマのある証拠ですよ。あなたはあの苦力が例外的な人間だったとは思えなかったとおっしゃるわけだ!/商人 原則をこそ基準にすべきであって、例外を基準にするわけにはいきませんからね。」(ブレヒト『例外と原則』)