うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

2022-03-10から1日間の記事一覧

サン=サーンスとフォーレの同時代性と時代錯誤性:ジャン=ミシェル・ネクトゥー『サン=サーンスとフォーレ――往復書簡集1862-1920』、ミヒャエル・シュテーゲマン『サン=サーンス』、ネクトゥ『ガブリエル・フォーレ 1845‐1924』

フォーレとサン=サーンスは、一八七〇年頃までは、その当時末だ色濃くのこされていたロマン派様式、一八八〇年代には世紀末様式へと進展してゆきつつ、それぞれの作品を築き上げてゆくが、一九〇〇年頃から二人の方向性は全く異なってしまうことに注目すべ…

テロとはなにか(小林エリカ『トリニティ、トリニティ、トリニティ』)

「しかしながら、いま、本当の記憶障害におかされているのは、わたくしではない。目に見えざるものたちを、過去を忘却しながら、微塵の苦しみさえ感じることのない人々の方ではありませんか。/もしも目に見えざるものを、その怒りや哀しみを、目に見える形…