うろたどな

"These fragments I have shored against my ruins."

日本での外国語の授業1年=自然習得環境下の3週間(久保田竜子『英語教育幻想』)

「ファニンガーとシングルトンはこんな計算に言及しています。生後、自然環境で五年間ことばを習得するのは、外国語学習九〇年間に相当するというのです。あるいは、週五時間の外国語授業を一年に二〇〇時間受けても、自然習得環境の中での言語習得(一日一〇時間とする)に換算すると三週間に匹敵するのみです。/この計算を二〇二〇年からの日本の小学校教育に当てはめてみます。五・六年生は年間七〇コマ、三・四年生は三五コマの英語の授業を受けることになっています。小学校で一コマは四五分です。これを自然習得環境に置き換えると、一年間でそれぞれたったの五日と二日半ほどに過ぎないのです。中学と高校の授業時間数も五・六年生の倍程度なので、十年間教室で勉強しても、総時間数は自然習得環境の九〇日間に満たないと考えられます。」(久保田竜子『英語教育幻想』191‐92頁)